* (話はやめたまえ)
窓の外を見よう
いま流れている筏はみな雪がつもつている
「つもつている」という動詞はこころを刺戟する。
情景とは別に、こころにつもったままの何かがある。「つもる」は「重くなる」につながる。こころのなかに「重い」何かがあって、それが「雪がつもつている」ということばになる。
「いま」ということばが、その「つもったまま」のものにスポットを当てる。
かつて
つぎつぎに流れてくる筏の上には屍体があつた
*
詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
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