詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

嵯峨信之『土地の名-人間の名』(1986)(61)

2019-07-19 13:26:20 | 嵯峨信之/動詞
* (窓に凭れていると)

〈それでもあなたを信じる〉という結びの手紙を
 書き了えたばかりだ

 「結び」を「了えた」と言いなおす。そのとき何かが「完結」し、嵯峨の「肉体」から離れていく。
 主観が客観にかわる印象がある。
 これは最終行で、こう言いなおされる。

抵抗はこのようにいつも静かな敗北に終わる

 「結び(のことば)」は「抵抗」である。それは「敗北」にかわることで「完結」する。「結び」がなければ「敗北」ははじまらない。
 嵯峨の「かなしみ」はいつも論理を背負っている。









*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
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