* (渚をねむらせようと)
この詩も「主語」をそのまま読むことがむずかしい。あるいは「動詞」をそのまま読もうとするとつまずいてしまう。私には逆のイメージが強すぎて、嵯峨のことばについていけない。だから読み替えてしまう。
砂丘ねむらせようと
渚を閉じる
渚と砂丘を比較すると、渚の方が動いている。音を立てている。音は眠りをさまたげる。砂丘を眠らせるためには、渚は動きを止めないといけない。私の持っているイメージでは、そうなる。けれど嵯峨は逆に書いている。
「砂丘を閉じる」とはどういうことなのか。ことばとしては、言えるが、具体的な姿にはならない。「えっ」とうい驚きが私の肉体を突き破る。
この一行もことばは理解できるが、具体的に思い浮かべようとするとつまずく。「思いだせない」のに「小さな港」を思っている。「ある」という思いが強すぎて、ほかの細部(?)じわからなくなるのか。
何か過剰なものがあり、それが存在を越えて動く。ことばが一瞬破壊される。その瞬間に詩が噴出する。それを別のことばで定着させようとすると、何もかもが消えてしまう。詩は、そういうものかもしれない。
*
詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
定価の下の「注文して製本する」のボタンを押すと購入の手続きが始まります。
私あてにメール(yachisyuso@gmail.com)でも受け付けています。(その場合は多少時間がかかります)
砂丘を閉じる
静かな夜も思いだせない小さな港がある
この詩も「主語」をそのまま読むことがむずかしい。あるいは「動詞」をそのまま読もうとするとつまずいてしまう。私には逆のイメージが強すぎて、嵯峨のことばについていけない。だから読み替えてしまう。
砂丘ねむらせようと
渚を閉じる
渚と砂丘を比較すると、渚の方が動いている。音を立てている。音は眠りをさまたげる。砂丘を眠らせるためには、渚は動きを止めないといけない。私の持っているイメージでは、そうなる。けれど嵯峨は逆に書いている。
「砂丘を閉じる」とはどういうことなのか。ことばとしては、言えるが、具体的な姿にはならない。「えっ」とうい驚きが私の肉体を突き破る。
静かな夜も思いだせない小さな港がある
この一行もことばは理解できるが、具体的に思い浮かべようとするとつまずく。「思いだせない」のに「小さな港」を思っている。「ある」という思いが強すぎて、ほかの細部(?)じわからなくなるのか。
何か過剰なものがあり、それが存在を越えて動く。ことばが一瞬破壊される。その瞬間に詩が噴出する。それを別のことばで定着させようとすると、何もかもが消えてしまう。詩は、そういうものかもしれない。
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詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
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私あてにメール(yachisyuso@gmail.com)でも受け付けています。(その場合は多少時間がかかります)