コロナ第二波(その2)
自民党憲法改正草案を読む/番外366(情報の読み方)
2020年07月03日の読売新聞(西部版・14版)の1面。コロナ感染のニュース。
という見出しに並んで、
という見出し、記事がつづく。
そのなかに、
これは、言い換えると30歳代以下にPCR検査を積極的に実施するようになった、ということだろう。
「夜の街」と「若者」に焦点をしぼって「行動規制」に動き始めたというとである。こうい「絞り込み」に「Black lives matter」や「香港情勢」が関係していないかどうか。即座には判断できないが、私は「若者抑圧」を感じてしまうのである。
27面(社会面)には、
「言いたくない」のは、簡単に言えば「差別」があるからだ。「夜の街で遊んでいる」「夜の街へ行くから感染する」と非難されるからだ。
記事中に、こんな部分がある。
当然だろう。
「友人の名前や店名だけは答えなかった」ということまで、報道されてしまうのである。さらに、保険所の職員とどういう対応をしたかまで報道されてしまう。
なぜ、そんなことまで報道する必要があるのか。なぜ、保険所の職員は記者にそういうことまで語ったのか。
私は、どうもいやなものを感じる。
どこまでを「夜の街」というのか、定義はわからないが、人間は欲望で動いている。セックスは基本的な欲望である。そして、ひとがセックスに夢中になっているとき、いちばん遠くにあるのが戦争だ。他人(親兄弟だけではなく、ときには愛を誓った相手)さえも放り出して、だれかと交わる。他人の「命令」なんか聞かない。そういう「スケベ」があふれたら、いちばん困るのは「軍隊」だろう。出撃命令が出たときに、「私は、ちょっと用事があります。参加できません」と兵士が拒否したら困るのは指揮官である。そしてその用事というのが、「きょうは浮気相手とセックスをする日です」というようなことになれば、もう軍隊はてんやわんやだろう。
私はフリーセックス(古いことばだなあ)を推奨するわけではないが、他人がどういうセックスをするかというようなことに、権力が口を挟んではいけない。そういう圧力を加えるときに「夜の街」というあいまいなことばを持ち出してはいけない。さらに、そこで得た「情報」を新聞を使って社会にまきちらすということはすべきではないだろう。
この「監視社会」は、どんどん拡大するだろう。誰がどこへ行った、誰と会った、ということが追跡され、「誰と会ったか言いたくない」と答えれば、「言いたくないと言った」と報道される。犯罪者にさえ「黙秘権」がある。感染者に「黙秘権」はないのか。
感染者が新たな感染者を生み出す。それはそのとおりだが、そうであるならば感染者を守る体制を整える必要がある。感染者を守る体制をつくらずに、感染者に責任を押しつけるのはおかしい。
たぶん、こうした「感染者が悪い」という風潮を生み出すことで、政府の「給付金を出さなくても、それは政府が悪いのではない」(政府には休業給付金を支払う責任や義務はない)という論理を展開しようとしているのだ。すべて「個人」の責任。そのために、「個人攻撃」をしやすいように、報道を利用している。売り上げが伸びずに困っているなら、それは「夜の街に出歩く若者がいるからだ」と宣伝するために報道機関が利用されている。
「個人攻撃」に対してはだれもが「防衛」の訓練ができていない。闘う訓練ができていない。特に若い人は、批判された経験が少ないから、よけいに不安になるだろう。若者の抑圧に、コロナ感染対策が利用されている。
「政府は、感染者数の増加はPCR検査を積極的に実施した結果だとみている。」と読売新聞は報道しているが、具体的には「検査対象」をどう拡大したのか。若者だけを調査したのか。40歳以上にも検査を広げているのか。検査実施対象の実態と結果を公表しなければ、若者を狙った「魔女刈り」が横行するだけである。「あいつを新宿で見かけた、渋谷で見かけた。首にするなら、あいつからだ」。そういう論理が、すぐそばまでやってきている。
#検察庁法改正に反対 #安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位
*
「天皇の悲鳴」(1000円、送料別)はオンデマンド出版です。
アマゾンや一般書店では購入できません。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168072977
ページ右側の「製本のご注文はこちら」のボタンを押して、申し込んでください。
自民党憲法改正草案を読む/番外366(情報の読み方)
2020年07月03日の読売新聞(西部版・14版)の1面。コロナ感染のニュース。
東京107人新規感染/都知事「夜の繁華街控えて」
という見出しに並んで、
緊急事態宣言「該当せず」 政府
という見出し、記事がつづく。
そのなかに、
政府は、感染者数の増加はPCR検査を積極的に実施した結果だとみている。多くは30歳代以下と若く、重傷患者も多くないため、医療体制には余裕がある。
これは、言い換えると30歳代以下にPCR検査を積極的に実施するようになった、ということだろう。
「夜の街」と「若者」に焦点をしぼって「行動規制」に動き始めたというとである。こうい「絞り込み」に「Black lives matter」や「香港情勢」が関係していないかどうか。即座には判断できないが、私は「若者抑圧」を感じてしまうのである。
27面(社会面)には、
中洲感染 解明に限界/店の特定難航 調査に「言いたくない」
「言いたくない」のは、簡単に言えば「差別」があるからだ。「夜の街で遊んでいる」「夜の街へ行くから感染する」と非難されるからだ。
記事中に、こんな部分がある。
(感染者の)2人は6月に入り、飲食店や自宅で複数人で会食を繰り返していた。加えて東京から来た友人数人と中洲のキャバクラ店に行ったと明かした。だが、友人の名前や店名だけは答えなかった。
保険所職員が「感染拡大を防ぐために協力してほしい」と説得したものの、2人は「絶対に言いたくない」などと拒んだという。
当然だろう。
「友人の名前や店名だけは答えなかった」ということまで、報道されてしまうのである。さらに、保険所の職員とどういう対応をしたかまで報道されてしまう。
なぜ、そんなことまで報道する必要があるのか。なぜ、保険所の職員は記者にそういうことまで語ったのか。
私は、どうもいやなものを感じる。
どこまでを「夜の街」というのか、定義はわからないが、人間は欲望で動いている。セックスは基本的な欲望である。そして、ひとがセックスに夢中になっているとき、いちばん遠くにあるのが戦争だ。他人(親兄弟だけではなく、ときには愛を誓った相手)さえも放り出して、だれかと交わる。他人の「命令」なんか聞かない。そういう「スケベ」があふれたら、いちばん困るのは「軍隊」だろう。出撃命令が出たときに、「私は、ちょっと用事があります。参加できません」と兵士が拒否したら困るのは指揮官である。そしてその用事というのが、「きょうは浮気相手とセックスをする日です」というようなことになれば、もう軍隊はてんやわんやだろう。
私はフリーセックス(古いことばだなあ)を推奨するわけではないが、他人がどういうセックスをするかというようなことに、権力が口を挟んではいけない。そういう圧力を加えるときに「夜の街」というあいまいなことばを持ち出してはいけない。さらに、そこで得た「情報」を新聞を使って社会にまきちらすということはすべきではないだろう。
この「監視社会」は、どんどん拡大するだろう。誰がどこへ行った、誰と会った、ということが追跡され、「誰と会ったか言いたくない」と答えれば、「言いたくないと言った」と報道される。犯罪者にさえ「黙秘権」がある。感染者に「黙秘権」はないのか。
感染者が新たな感染者を生み出す。それはそのとおりだが、そうであるならば感染者を守る体制を整える必要がある。感染者を守る体制をつくらずに、感染者に責任を押しつけるのはおかしい。
たぶん、こうした「感染者が悪い」という風潮を生み出すことで、政府の「給付金を出さなくても、それは政府が悪いのではない」(政府には休業給付金を支払う責任や義務はない)という論理を展開しようとしているのだ。すべて「個人」の責任。そのために、「個人攻撃」をしやすいように、報道を利用している。売り上げが伸びずに困っているなら、それは「夜の街に出歩く若者がいるからだ」と宣伝するために報道機関が利用されている。
「個人攻撃」に対してはだれもが「防衛」の訓練ができていない。闘う訓練ができていない。特に若い人は、批判された経験が少ないから、よけいに不安になるだろう。若者の抑圧に、コロナ感染対策が利用されている。
「政府は、感染者数の増加はPCR検査を積極的に実施した結果だとみている。」と読売新聞は報道しているが、具体的には「検査対象」をどう拡大したのか。若者だけを調査したのか。40歳以上にも検査を広げているのか。検査実施対象の実態と結果を公表しなければ、若者を狙った「魔女刈り」が横行するだけである。「あいつを新宿で見かけた、渋谷で見かけた。首にするなら、あいつからだ」。そういう論理が、すぐそばまでやってきている。
#検察庁法改正に反対 #安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位
*
「天皇の悲鳴」(1000円、送料別)はオンデマンド出版です。
アマゾンや一般書店では購入できません。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168072977
ページ右側の「製本のご注文はこちら」のボタンを押して、申し込んでください。