詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

「沈黙作戦」の変化

2020-07-25 13:31:46 | 自民党憲法改正草案を読む
「沈黙作戦」の強化
   自民党憲法改正草案を読む/番外370(情報の読み方)

 情報速報ドットコムに「GOTO(トラベル)」関連の記事が載っている。
 https://johosokuhou.com/2020/07/25/34857/?fbclid=IwAR1QJO6T4Rh2Kel1SLJTG5wXFTL123ogU6ta9U4fNykaJQKiG0dd9SvT21g

人口5000人の与論島で計23人が感染、狭い島での感染者に騒然!市長が緊急メッセージ 「医療体制が脆弱な地域」

 これはスタート前から心配されていたこと。
 この現実の前で、政権が沈黙することは許されない。

 「沈黙」と書いて、私は、急に思い出すのだ。安倍の作戦は、すべて「沈黙作戦」と捉えなおすことができる。ただし、その「沈黙する」の「主語」は同じではない。大きく変わっている。そのことを、2016年から振り返ってみる。

①2016年の参院選後、「天皇の生前退位意向」がNHKによってスクープされた。私はこれを「強制生前退位」と呼んでいる。リークしたのはだれなのか、まだ明確にされていないが、私は安倍がリークしたと考えている。(理由は「天皇の沈黙」に書いたので繰り返さない。)つづいて天皇が「ビデオメッセージ」を発表した。そのなかで天皇は2回にわたり「天皇には国政に関する権能はない」と言っているが、これは安倍に言わせられたのである。天皇さえ「沈黙した」。だから、国民は沈黙しろ、政治批判をするな、安倍批判をするな、というのが安倍の主張である。
②その後、森友学園、加計学園、桜を見る会前夜祭と、「安倍のお友だち優遇政策」が次々に明るみに出た。この「政策」への疑問に対して、安倍は「証拠はない」の一点張りで説明を拒んでいる。情報公開を拒み、「文書(書類)は廃棄した」「文書がない」と「検証」を拒否している。これは「文章」を沈黙させることであり、また、実際に仕事をした官僚(公務員)を沈黙させることである。その「沈黙作戦」の犠牲者に財務省の職員がいる。自殺させられた。究極の「沈黙作戦」である。死者は語ることができない。安倍は、人間(安倍のお友だち以外の人間)が死んでしまい、発言できなくなること(沈黙せざるを得なくなること)に対して、平気でいる。
③いま起きていることは、このつづきである。コロナ感染が拡大している。しかし、安倍は(あるいは、二階が)「GOTO」を強行した。安倍も二階も表に出てこない。なぜ、いま、そうしなければならないかを説明しない。他の閣僚が出てきて「経済再生」を口にしているが、安倍は「沈黙」している。自分では語らない。トップが「沈黙する」という作戦に転換している。「沈黙する」けれど、指示はする。追及されたとき、実際に「ことばを発したのは、ぼくちゃんではない。ぼくちゃんが、国民に旅行に行けと言ったわけではない」と言い逃れるつもりなのだ。「ぼくちゃんが、国民に、旅行に行けと言った証拠がどこにありますか?」と、「実証責任」を国民に要求する。

 ここから、こんなことが始まる。
 「GOTO」キャンペーンはたしかに実施した。しかし、旅行先にどこへ行くか、観光地が客を受け入れるかどうかは、「ぼくちゃんは指示していない」。みんな、自分の行きたいところへ「自己責任」で、行った。受け入れ先は、「自己責任」で受け入れた。「東京発着は禁止」「感染防止策の徹底」「ルールを守れ」ということは指示している。あとは、すべて「自己責任」。
 安倍が、与論島問題(さらに、ほかの地域にもひろがるかもしれない)を追及されたら、きっとそう答弁するだろうし、答弁を求められるまでは何も言わない。「沈黙する」を守り通す。不都合なことについては、すべて「沈黙する」。
 安倍は自分の利益(お友だちの利益)のためには、何でもする。しかし、そのことについては「沈黙する」。やりたい放題をやるが、絶対に語らない。
 こういう悪質な「独裁」が始まっているのだ。

 与論島では、まだ、死者は出ていない。だが、出るかもしれない。与論島から「本土」に搬送されて死亡したときは、与論島で死者が出たわけではない、とさえ、安倍は言うかもしれない。与論島で死者が出たということに対しては「沈黙する」。与論島で死者が出たことを認めれば、安倍への追及が激しさを増すからである。

 死者は語れない。
 これがいちばん問題なのだ。自殺した財務省職員は語れない。「死人に口なし」である。ここから、さらに、こういえるのだ。
 「究極の沈黙作戦」は、③のあと、国民へむけられる。批判する人間は「沈黙させろ」という作戦が始まるかもしれない。そのむごたらしい作戦の究極に「戦争」がある。どこの国が相手でもいいから、戦争をしかけろ。安倍を批判する国民は、最前線へ駆り立てろ。そこで死んでしまえば、もう安倍批判はできない。そうやって国民を殺しておいて、死んだ国民を「御霊」と呼ぶことにする。まつるふりをして、「沈黙作戦」を完成させる、つまり「独裁」を完成させる。

 「天皇沈黙作戦」が「御霊作戦(国民沈黙作戦)」への第一歩であることも、私は「天皇の悲鳴」で書いた。
 オリンピックを開催し、「ぼくちゃんが首相、いちばん偉いんだ」というための「人体実験」が「GOTO」という名目(観光地を救済するという名目)で行われているということは、きのう書いた。
 実際に、離島で問題が起きた。この瞬間、「沈黙している」のはだれか。そのことを、追及する必要がある。国民は「沈黙してはならない」。沈黙すれば、次は殺されるのだ。コロナがどんな状況で、何人に感染し、そのうち何人が死んで行くか、その人体実験が「GOTO」キャンペーンで行われている。もちろん、そんなことは安倍は言わない。ほんとうの狙いは語らない(沈黙する)。かわりに「観光産業を救え」という。
 これは、「天皇に国政に関する発言をさせない(沈黙させる)」というかわりに、「高齢になった天皇の負担を軽くする」と言ったのと同じである。「救う」ということばをつかって言い直せば、「天皇に沈黙を強制したのではない、天皇を救うためだった」になる。
 「天皇強制退位」を強行したときから、安倍の「沈黙作戦」はエスカレートしているのである。

















#検察庁法改正に反対 #安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位 
 


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