福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

竹島問題と大韓全図

2006年04月19日 |   〇竹島問題等

先月も「トクトキャンペーン」なる題名でカキコをした。

そして今月もまた、こうして書かざるを得ない。

現在、日本の海上保安庁が計画している竹島近海を含む
日本海の海洋調査問題に韓国政府や世論が激しく反発している。

双方の主張が真っ向から食い違っているデリケートな海域では
あるが、韓国側は過去4年間、日本側の抗議にもかかわらず
4度も同様の調査を実施していると言う。

現在、日本側の抗議を無視したまま竹島を「実効支配」している
韓国は、官民一体となって日本海の国際名称を「East sea/東海」に、
さらには日本海の海底地形の国際名称も韓国式に変えようとして
いるという。

今年6月にドイツで開かれる海底地形の名称を決める国際会議で、
竹島支配の既成事実化をめぐる韓国側の「攻勢」に対抗する上で、
日本側としても一歩も引けない立場に立たされているのだ。

しかし、ノ・ムヒョン大統領は、日本側のこうした動きを

일본의 국수주의 성향을 가진 정권이 과거 침략의 역사를
정당화하는 행위
」(日本の国粋主義的な傾向を持つ政権が
過去の侵略の歴史を正当化する行為)」
(連合ニュース、4月19日)

と規定し、日本側に調査の中止を求めるとともに、調査船拿捕も
含めた物理的な対抗措置を取ることも辞さないとの姿勢を示した。

公党である野党ハンナラ党も報道官による記者団への公式論評を
通じて、

요즘 같아서는 황사와 일본만 없으면 살 것 같다.
(最近のような状況を見ていると、黄砂と日本さえなければ
韓国人は気持ちよく暮らせる
と思う)」
(CBSニュース、4月19日)

とまで公言する雰囲気だ。

韓国のテレビ(衛星放送)にしろラジオにしろ、日本の「挑発」や
「侵略」を一方的に糾弾する対日批判のボルテージはかなり
上がっている。

日本人「ヲタク」としては精神的にかなりしんどい時間だ。

「タフな精神」が要請される時期が、またやってきた。

韓国政府も世論も竹島(韓国名トクト)が太古の昔より韓国領で
あったという自説に「一点」の疑いも持っていない。竹島問題に
関する限り、歴史的事実や真実を検証しようとする科学的、
客観的な姿勢は全くない。

これが愛国心なる「情念の怪物」のなせるわざなのだろうか。

韓国側の説に納得の行かない「ヲタク」としては、ある意味で
絶望的な状況だ。

しかし、個人的には希望はあると思っている。

例えば、1899年に大韓帝国の学部編集局が作成、頒布した
「大韓全図」について、第1次資料としての信憑性に疑義を
挟んでいる韓国人は、インターネットで見た限り全くいない。

この情報化社会である。

文献にしろ地図にしろ、第1次資料が多くの国民の目に直接、
触れるようになると状況はかなり変わってくるのではないかと
考えているのだ。


△大韓帝国作成「大韓全図」(1899)

この「大韓全図」なども、韓国のトクト(竹島)領有の正当性を
補強する資料として一部、利用されており、最近ではインターネットを
通じて簡単に目にすることができる。

この地図で欝陵島の横に描かれている「于山島」をトクト(竹島)と
見なすことが適当なのか、ということに疑問を持つ韓国人が
出てくることを、愛国心で完全に抑えきることは無理なのでは
ないかと思うのだ。

韓国では、この「于山島」が1906年以降「トクト(独島)」に改称
されたことになっている。


*鬱陵島の横に「于山」島が描かれている。(「大韓全図」)


*欝陵島の付属島には独島より大きい島がある。チュクト(竹島)と
トクト(独島:日本側では竹島)は別の島なので注意が必要。


*鬱陵島とトクトは約90km離れており、肉眼での視認も不可能に近い。

おそらく、国民に様々な疑問を持たせないためにも愛国心に訴える
教育や報道が必要なのだろうが、いくら非理性的な民族主義を
動員しても、ある程度まで国民の目をごまかせても、人間の理性や
科学の営みを完全に消滅させることはできない。

もちろん、宗教的な信念や民族主義が、科学や理性の目を曇らせる
事例は世界にいくらでもあるし、そうした問題の克服が決して
容易でないことは「ヲタク」も知っているつもりだ。

アメリカにも進化論を否定する人々が大勢いるし、同じように
この日本にも、進化論を超越した「神話」に始まる「万世一系の
天皇」を日本文化の中心に据えたがっている人々が大勢いる。


「ヲタク」は甘すぎるのかもしれない。

しかし、「ヲタク」が韓国語を学び続ける上で、「タフな精神」と
ともに「楽観的な希望」が必要なことも、また事実なのである。

実は、「ヲタク」はこのブログに掲載した竹島関連の資料を、
カフェの資料コーナーにも掲載した。

もう二度と顔の見えない韓国人会員たちと論争する気はないが、
一人でも多くの韓国人会員に、せめて資料にだけでも目を通して
もらいたいと願ってのことだ。



(終わり)

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