福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

竹島と対馬

2006年04月22日 |   〇竹島問題等

日本ではあまり知られていない事実だが、韓国の初代大統領で
ある李承晩大統領は、韓国の独立直後、大統領声明などを通じ
再三にわたって、「トクト(竹島)」のみならず「テマド(対馬)」に
対する韓国の領有権を公式に主張し返還を要求している。

さいわい、竹島と違い、対馬に関するそうした主張は「実力行使」に
移されることなく今日に至っている。

しかし、日本人としては驚かざるを得ないことだが、現在でも、
対馬は本来、韓国の領土であり日本から奪われた島だと「本気」で
考えている韓国人が、一定割合存在する。「ヲタク」としては、
そういう人が決して多数派ではないと信じたいところだ。

--- これは決して笑い話などではない。

韓国語学習者は、こうした事実についても知っておいたほうが
いいだろう。

「ヲタク」も個人的には現代韓国語で二つの島を意味する
두섬(トゥソム)」と「対馬」の語源は同じなのではないかと
思っているし、歴史上、対馬が朝鮮半島と深い関係を持ってきた
ことは知っているが、対馬が本来、韓国の領土であるとの
主張には、かなりの無理があると思う。

「日本書紀」顕宗紀(720年)にも「対馬県直(つしまあがたの
あたい)」が登場しているし、かの「魏志倭人伝」(3世紀)の中にも
対馬国(つまこく)として登場しているくらいなので、随分昔から
日本人が住んでいた島だと考えられる。

韓国の一部で主張されている対馬の韓国領説が、一部歴史
資料の超拡大解釈、あるいは曲解に基ずく「思い込み」による
ものだとしたら、島民に対して全く失礼な話だと言わねばなるまい。

最後に、対馬領有権問題を韓国の日本に対する外交上の
カードにしなければならないと、「本気」で訴えている新聞記事を
翻訳して記録しておく。

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■ 대마도
テマド(対馬)
[メイル(毎日)新聞 4月21日]

- 書き出し部分省略 -

○…지난해 3월 일본 시마네(島根)현이 ‘다케시마의 날’을
제정한 데 대한 대응으로 마산시 의회가 ‘대마도의 날’
조례를 제정한 바 있다. 1년이 지난 지금 ‘대마도의 날’이
어떻게 됐는지 관심 있는 사람은 아무도 없다. 당시 노
대통령은 일본의 ‘다케시마의 날’ 제정과 관련, 국민에게
드리는 글을 통해 “더 이상 묵과할 수 없다. 뿌리 뽑도록
하겠다.”며 비분강개했다.
昨年3月、日本の島根県による「竹島の日」制定に対する
対抗策として馬山市議会が「テマド(対馬)の日」条例を制定した。
1年が過ぎた今、「テマドの日」がどうなったのか関心を示す人は
誰もいない。当時、ノ大統領は日本の「竹島の日」制定について、
対国民談話を通じ、「これ以上見過ごすわけにはいかない。
問題を根本的に解決する」と悲憤慷慨した。

○…그러나 불과 1년 만에 다시 이 모양이다. 그때 노
대통령이 마산시 의회의 ‘대마도의 날’ 제정을 축하한다는
댓글이라도 남기고 대마도 영유권 문제를 공식 제기했다면
아마도 역사에 길이 남을 사건이자 업적이 됐을지 모른다.
한국이 대마도 영유권을 주장할 수 있는 역사적 근거는,
일본의 독도 영유권 주장과는 비교할 수 없을 정도로 많고,
설득력이 있다.
しかし、わずか1年後にこのざまだ。あの時、ノ大統領が馬山市
議会の「テマド(対馬)の日」制定を祝うメッセージでも送り
対馬領有権問題を公式に提起していれば、おそらく歴史に残る
事件、大統領の業績になっていたかもしれない。韓国が対馬の
領有権を主張できる歴史的な根拠は、日本の竹島領有権の
主張とは比較にならないほど多く、説得力がある。

○…오늘 일본 외무성 차관이 방한해서 협의를 한다지만
잘해야 미봉 정도일 것이다. 일본이 독도와 EEZ문제를
우리 입맛에 맞게 인정하거나 양해할 리 없기 때문이다.
일본은 언제라도 걸어 당길 빌미는 확고하게 쥐고 있고,
오래전부터 알게 모르게 한국을 죄어오고 있다. 정부가
주체성 운운하며 국제적 외톨이가 되고, 벌지도 못하면서
쓰기만 하는 국정 운영으로 국력이 소진됐을 때 일본은
행동할 것이다. 카드가 있어야 한다. 그래야 외교든
전쟁이든 맞설 수 있다. 대마도를 버리지 말아야 할
이유다.
今日、日本の外務次官が訪韓し協議をすると言うが、うまく
いってもその場しのぎの合意で終わるだろう。日本が竹島や排他的
経済水域問題で韓国の主張を認めたり了承したりするはずが
ないからだ。日本はいつでも紛争を起こせる材料をしっかり
握っているし、ずい分前から陰に陽に様々な面で韓国を
圧迫してきている。現政府が主体性を云々しながら国際的に
孤立し、空理空論で国政運営を続け韓国の国力が弱まった時、
日本は行動に移すだろう。韓国には「カード」が必要だ。
「カード」があってこそ外交でも戦争でも日本に対抗できる。
テマド(対馬)を手放してはならない理由がここにあるのだ。

(終わり)

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韓国の野球用語(2)

2006年04月22日 |  〇語彙と表現

以前、「韓国の野球用語」という題名でカキコをしたことがある。

今日、韓国語の野球用語の今後を占う意味で、非常に参考になる
関連記事を読んだので、翻訳の上、記録しておこうと思う。

実は、「ヲタク」の推測は残念ながら(?)かなりずれていた。

野球用語の言い換えの大きな目的は「脱日本式用語」などではなく、
あくまで「わかりやすさ」の追求なのだという。

ほんの一部の日本式用語だけを恣意的に槍玉に上げ、「日本式
用語を清算する」などという韓国でよく見られる愛国的かつ
欺瞞的な論理は、ここには登場していない。

「ヲタク」は、そこに韓国野球界の良識、あるいは率直な現実認識を
見て取る。

目的が「わかりやすさ」の追求ならば、少々、わずらわしさが
生じるとしても、韓国野球界の発展のため、「ヲタク」も素直に
応援できる。

成功を祈りたい。

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■ KBO 야구용어 알기쉽게 고친다 
韓国野球委員会、野球用語をわかりやすく改正
(京郷新聞 4月20日)

한국야구위원회(KBO)가 일본식 한자와 영어가 대다수인
야구규칙을 알기 쉬운 한글로 바꾸는 작업을 추진한다.
韓国野球委員会(KBO)が、日本式漢字語と英語が大多数を占める
野球用語をわかりやすくハングルに言い換える作業を推進中
だ。

KBO 야구용어위원회(위원장 허구연)는 20일 서울 도곡동
야구회관에서 “현재 쓰고 있는 ‘방어율’을 ‘평균자책’으로,
‘원정경기’를 ‘방문경기’로 고치는 등 규칙서 용어에
대한 대대적인 개정작업을 추진하고 있다”고 밝혔다.
KBO野球用語委員会(ホ・グヨン委員長)は20日、ソウル市
トゴクドンの野球会館で、現在、使われている「防御率」を「平均
自責」に、「遠征」試合を「訪問」試合に言い換えるなど、
ルールブックに記載されている野球用語を大々的に改正する
作業を進めていると発表した。

위원회는 개정안이 확정되면 내년부터 규칙서 등을
통해 시행할 예정이라고 덧붙였다.
さらに、委員会は改正案が確定すれば来年からルールブック
改正などを通じ、用語の言い換えを進める予定だと述べた。

・・・・・・・・・・・・・

ちなみに、現在、韓国で使用されている野球用語(漢字語)も、
例に漏れず約95%は日本式漢字語であると見ていい。

야구(野球)、투수(投手)、포수(捕手)、타자(打者)、
내야수(内野手)、외야수(外野手)、1루(一塁)、2루(二塁)、
3루(三塁)、삼진(三振)、안타(安打)、적시타(敵時打)、
도루(盗塁)、타율(打率)、감독(監督)、심판(審判)・・・・

--- 例を挙げればきりがない。

今後、こうした日韓共通の野球用語(漢字語)が、どの程度、
変わっていくのだろうか?

成り行きを注意深く観察していきたいと思う。




(終わり)




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独島と愛国教育

2006年04月22日 |   〇竹島問題等


*画像はMBCニュースより

■  '독도는 우리땅' 초중고 특별수업
「トクト(竹島)は韓国の領土」 小中高で特別授業
(プサン日報 4月21日)

'독도는 우리땅' 초중고 특별수업
「トクト(竹島)は韓国の領土」 小中高で特別授業

초·중·고교생들에게 '독도는 우리땅'이라는 역사적
사실을 적극 알리기 위한 계기수업이 실시된다.
全国の小・中・高校で「トクト(竹島)は韓国の領土」である
歴史的事実を、さらに深く認識させるための特別授業が
実施される。

교육인적자원부는 16개 시도교육청을 통해 일선
초·중·고교에 일본의 역사교과서 왜곡과 독도 영유권
주장에 대항하는 계기수업을 강화할 것을 지시했다고
21일 밝혔다.
教育人的資源部(日本の文部科学省に該当)は16日、
市・道教育庁を通じ、全国の小・中・高校に対し日本の
歴史教科書歪曲問題とトクト領有権の主張に対抗する
特別授業を実施するよう指示したと21日、発表した。

계기수업은 정규 교육과정과 상관없이 사회·정치적으로
중대한 의미가 있는 주제나 사건이 터졌을 때 필요에
따라 별도로 실시하는 교육을 말한다.
こうした特別授業は正規のカリキュラムとは無関係に、社会的・
政治的に重大な意味を持つ時事問題について、適宜、必要に
応じて別途、実施される
教育だ。

・・・・・・・・・・・・

現在、日本でも学校教育で「愛国心」を教えるよう教育基本法を
改正しようとする動きが表面化している。

教育基本法改正を主導している日本の保守政治家にとっては、
何とも理想的な教育の姿が韓国にあるのかもしれない。

学校教育が完全に国家(政治や教育行政当局)に従属した
姿が、ここには見られる。

子どもたちは、「歴史的事実」を探求する姿勢を持つ必要もない。
対立する外国の主張について客観的に知る必要もない。もちろん、
双方の主張を客観的に理解した上で、真の国益とは何か、
あるいは問題解決のためにどうすればいいのかなど、考える
必要もない。

そこにあるのは、愛国心を持って国家(政治や行政当局)の定める
「歴史的事実」や「政治情勢」のみを真理として受け入れ、立派な
国民になる義務だけだ。

--- あえて「ヲタク」は言いたい。

やはり、教育の最大の目的は「人格の完成」であり、さらに
子どもの自己実現を励まし、国家・社会の主人公たる素養を
身につけることではないのかと。

教育は政治や行政から「独立」して、「読み書きそろばん」を基本と
する科学的な学習を中心に、あくまで子どもの人格の完成を追求し、
政治や行政はその条件整備にのみ邁進すべきではないのかと・・・。

愛国心教育に反対する「愛国」をも抱擁する度量の広い成熟した
民主国家の建設をこそ、是非、わが祖国である日本には目指して
欲しい。

何も「ヲタク」は愛国心そのものを否定するつもりはない。

愛国心のような、本来、多様でなお且つ中身があいまいなものを
あえて国家(政治や行政当局)が型に嵌め、規定してまで子どもに
注入すべきではないと「ヲタク」は考えているのだ。

ついでに言えば、「伝統の尊重」だって同じことだ。いまさら
江戸時代や明治時代にもどることはできないのだ。

尊重すべき「伝統」は、国家(政治や行政)が規定し国民に授ける、
などという愚は決して犯すべきではない。

国家(政治や行政当局)によって定められた「国家への愛の形」や
「伝統」、ひいては「国策への忠誠心」を子どもたちに注入する
ような教育が、真の意味で国家・社会のためになるとは到底、
思えない。

「全国民が一丸となった」ような韓国社会の様子を伝える報道に
接しながら、ふとそういうことを考えた「ヲタク」であった。



(終わり)


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