惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

同性婚

2021-03-19 20:51:12 | ニュース

 昨夜は古くからのSF仲間「一の日会」のZOOM例会を楽しんでおりました。

 2日遅れの話題となりますが、一昨日(17日)、札幌地裁が「同性婚を認めないのは憲法違反」とした、武部知子裁判長の判決文に感動しました。
 全文をネットで読むことができますが、ここにはごく一部を引用しておきます。

 異性愛者と同性愛者の違いは、人の意思によって選択・変更し得ない性的指向の差異でしかなく、いかなる性的指向を有する者であっても、享有し得る法的利益に差異はないといわなければならない。そうであるにもかかわらず、同性愛者に対しては、婚姻によって生じる法的効果の一部ですらも、これを享受する法的手段が提供されていない。

 明快です。

 私にとって、同性愛について考える大きなヒントになったのは、学生時代、専攻していた心理学関係の論文で、戦時下のドイツで強いストレスを受けた母親から生まれた男児にゲイの割合が高かったと知ったことだと思います。胎内で、特定の時期にホルモンの増減があることが影響しているという研究でした。

 以来、人間だけでなく、動物全体の性についても見聞きすることで、この問題については考えるところがありました。
 今回、この判決が出たことで、社会が目指すべき方向がはっきりしたと思います。

 性にはやっかいな問題が絡んでおり、まだまだ深く考えるべきことがあります。SFはそのための有効な媒体になるのではないかと思っています。たとえば、ル=グインの『闇の左手』のように。


汽車

2021-03-09 20:34:40 | ニュース

 もしかしたら「汽車」という言葉は死語になっているのではないかと思ったりもします。最近はなんでも「電車」ですまそうという風潮を感じるのです。
 汽車、ディーゼルカー、ガソリンカー、電車……それぞれ別物で、私の中では厳密に区分されているんですけどね。

 いや、そんな話よりも今日、「おお、なつかしい!」と思ったのはこの記事 → 「明治の客車、佐川町で公開へ 国内唯一の四輪木造2等」(高知新聞)。

 記憶にあります。昔の青山(せいざん)文庫の庭に客車が鎮座していました。

 佐川町は私の生まれ育った町で、この文庫にはよく行っていました。
 本はそんなになかったのですが、今、思い起こすと建物が素晴らしかった。

 古い洋館で、もとは警察署だったものを移設したらしい。本を置いた部屋の奥に、2階建の部分が連なっていて、そこへも自由に出入りできたんじゃなかったかなあ。
 で、その庭に、古い客車が置いてあって、この中にも出入りしてたような気がします。

 もとの町にもどって来たようですから、帰郷した時に訪れなくては。
 足を踏み入れれば、子どもの頃の記憶がよみがえるかな?


PCR検査

2021-01-04 21:15:36 | ニュース

 三が日が終わり、ゴミの収集も始まって、普段の日々が戻って……といいたいところですが、コロナの感染拡大は衰えを見せていないので、どこか緊張した生活を強いられます。

 バドミントンの桃田賢斗選手がPCR検査で陽性となり、タイオープンへ出発しようとしていた日本選手団全員が参加とりやめになったとか。
 女子シングルスの奥原希望選手は「この試練を共に闘っている仲間達と乗り越えて行きたいと思います!」と成田空港からツイートしていました。その後、空港から引き返したんでしょうね。残念だったろうなぁ。

 選手団は成田に到着してから検査を受けたようです。
 PCR検査はそんなに早く結果が出るのかと、ちょっとびっくりしました。
 調べてみると、最短1時間で結果が判明する検査キットもあるとか。なるほどこれならすぐにわかるはずだ。

 それにしても、注意しているはずのアスリートでもいつの間にか感染するとは。
 桃田選手、この前の体操の内村航平選手みたいに疑陽性だったってことはないのかな?


個人情報市場

2020-12-16 21:11:22 | ニュース

 新聞記事の復習。

 毎日新聞朝刊に気になる記事が出ていました。
 ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が8月に航空機内で意識を失い、ベルリンの病院で猛毒のノビチョクによるものと判明した事件の続報。

 公開された情報から真実を暴き出すイギリスの調査グループ「ベリングキャット」などが発表したものてすが、ロシアの連邦保安庁(FSB)傘下の秘密部隊に属する8人が関与したとして、名前や写真を明らかにしたとか。

 記事を読んで驚いたのは、「ロシアには過去に流出した個人情報を売買する市場がある」というところ。そこでは飛行機の乗客リスト、乗客らが携帯電話で通話した記録などが入手できるというのです。
 調査グループはそうした情報から、ナワリヌイ氏が過去に旅行した際に同じ飛行機に乗った者の記録を丹念に調べ、工作員たちが何度もナワリヌイ氏やその妻を尾行し、今年8月以前にも襲撃していた可能性があることも指摘しています。

 個人情報のそんな市場があるのですねぇ。もちろん一般にはアクセスしがたいネット上のどこかでしょう。
 ロシアだけでなく、よその国にもないとはいえないように思います。

 怖い時代に生きているんだなあ。


それぞれの対策

2020-12-12 21:04:01 | ニュース

 新型コロナウイルスの感染が拡大し続けています。
 個人の生活では、とにかくウイルスとの接触の機会をなるべく減らし、接触しても伝染しないよう、できるだけのことをするしかないでしょうね。
 あとは報道される国の対策にじれった思いをつのらせるのみですが……。

 そんな中で目についた和歌山県の仁坂吉伸知事の「大阪が危ない。日本も危ない」というメッセージ。

 中段の図で示されているのは、「国民・市民」レベル、「医療現場」レベルでの対応の間に「保険医療行政・保健所」レベルの対応があり、そこに力を入れる必要があるという内容。日々、感染の現場を見つつ、指揮をとっている方の指摘だけに説得力があります。
 国も地方自治体も大変な思いをしておられと思いますが、こうした提言を活かして、是正すべきところはすぐに是正してもらいたいと感じました。

 〈ナンクロメイト〉1月号が発売中です。担当の新刊紹介欄で次の3冊を取り上げました――

  • 村上貴弘『アリ語で寝言を言いました』(扶桑社新書)
  • 木下古栗『サピエンス前戯 長編小説集』(河出書房新社)
  • ダニエル・L・エヴェレット『言語の起源』(松浦俊輔訳、白揚社)

 『言語の起源』では、『ピダハン』で謎の言語体験をしたエヴェレットが、言語を使い始めたのはホモ・エレクトゥスだと書いています。そうかもしれないけど、本当のところはよくわからない。
 とはいえ、現時点の言語の起源に関する本の中では妥当なものではないかと思います。