中でも「タケ(キノコ)にあたる」という章が特に興味深く感じられました。
要は、かつてキノコを何と呼んでいたかということの考察で、「キノコ」という言葉は室町時代以降になって文献に現れたものだそうです。
それ以前は何と言われているかというと、基本的には「タケ」。「クサヒラ」という語も見られるが、「タケ」と同義ではなく、食用の山菜類を指す貴族語だったのではないかと、木村さんは推察しています。
さらに昭和30年代の調査にもとづく『日本方言大辞典』(小学館)の「きのこ(茸)」の方言地図が引用されています。これを眺めていると、いろいいろと妄想が湧いてきて面白いのです。
基本的には「キノコ」「コケ」「タケ」「ナバ」の4地域に分けられ、「キノコ」は東北から関東、東海地方で使われています。東国の言葉だったのですね。ただし、四国の徳島も「キノコ」なのが興味深い。
「コケ」は新潟から北陸、岐阜あたり。木村さんは縄文時代からの大国「コシ」の勢力圏にほぼ重なると書いています。
「タケ」は出雲から丹波、兵庫、岡山にかけて。飛び地が松山と伊勢にあるのも、これまた大変に興味深い。
「ナバ」は南方語らしく、琉球、奄美から九州全域、山口、広島あたり。四国では宇和島と高知県で使われています。暖流に乗って流れ着いた言葉のように思えてきます。
太古の文化圏というか、日本人を形づくった民族が見えてくるような気がするんですよね。
この本にはほかにも「つくし(土筆)」「数える」の方言地図が引用されていますが、それらはまた別の分布をしていて、これまた面白い。方言地図をじっくり調べてみたいものです。
昨日まで暖かかったので、余計に寒さが身に沁みます。大慌てでフリースのブルゾン(うわっぱり)を引っ張り出して着込みました。
奈良県桜井市の纏向遺跡で巨大な建物の遺跡が見つかり、「すわ、卑弥呼の宮殿か!?」と色めきたっているムキもあるようです。
いいですねえ、こういう古代のロマンは。手がかりがあるようでないようで、素人も一緒になってわいわいと推理できるのが楽しい。
私は卑弥呼に関しては「鬼道をよくし」というところが、いちばん気になります。この「鬼道」は大陸由来のものなのか。それとも日本独自の呪術を、大陸から来た人が「これは鬼道だ」と見てとったのか。
ともあれ、神がかりするのが女性の特質だったことに間違いはないでしょう。東アジアの古い信仰のかたちです。
邪馬台国が北九州か畿内かということについては、なんとも言えませんが(私が言っても意味ないし)、ただ、卑弥呼の出身地については一家言あります。
卑弥呼は四国、愛媛の出身でしょう。国を見事に治めた素晴らしい女性を生んだ国ということで「愛媛」という美しい名前がつけられたというのが、私の古代妄想的推理。
もしかすると、卑弥呼の鬼道は石鎚山などの山岳信仰と関係あるのかもしれません。
この説にはもうひとつキーポイントがあって、それは卑弥呼の本名。「伊予」というのです。
こうなると落語の「千早振る」ですが、でも卑弥呼の後、男の王が継いでもうまくゆかなかった国を治めた彼女の親戚の女性が「トヨ」だったのですから、まんざらでもないかなと、自分では考えております。
○ポストイット強粘着
- 読んでいる本にブックマークを付ける際に使います。
- 私は50ミリ×50ミリのをカッターで幅2.5ミリに小さく裂いて使っています。こうすると「この行に注目!」と行指定が出来る上、他の行を隠すことがありません。
- 普通のポストイットを同様に小さくしてもいいのですが、それだと少し粘着力に不安があり、ページをめくる際、はがれることも。その点、強粘着だと問題なし。
- 私は50ミリ×50ミリのをカッターで幅2.5ミリに小さく裂いて使っています。こうすると「この行に注目!」と行指定が出来る上、他の行を隠すことがありません。
○お腹にのせる書見台
- 本はソファにひっくり返って読むことが多いのです。その時、お腹の上で開いたままになっていてくれれば楽ちん読書ができます。
- 太目の針金を曲げて作ってあります。格好悪いので写真は載せませんが、うまく工夫すればページをとめることもでき、手を使うのはめくる時だけ。ぐうたら読書にもってこいです。
七福神の大黒天は、大国主の命でもありますよねえ。この写真、格好は大国主で、色は真っ黒。まさに両神が一体化しています。どなたのデザインなのでしょう?
大黒天は、ヒンドゥー教のマハー(大)カーラ(黒)神。シヴァの化身ですが、実際、黒い神さまなのでしょうね。
大国主の命は、オオナムチともいいます。おそらく出雲近辺の国主で大和朝廷と張り合った中では最も力があった勢力をカミとしたものでしょう。少彦名(ヒルコ、エビス)とペアになって、あちこちの神社に祀られています。
「大黒」と「大国」――どちらも「ダイコク」だから一緒くたにされているのです。さすが日本人というべきか。
そもそも七福神にはインドと中国と日本の神さまが入り混じっているのですよね。
大黒天・恵比寿・弁財天・毘沙門天・福禄寿・寿老人・布袋。どれがどの国出身なのか、わかります?
「ベストSF2008」に 毛利信明さん から投票をいただきました。毛利さん、ありがとうございました。
投票の要領はこちら。
- 〔七福神の国籍〕
- 大黒天……インド+日本
- 恵比寿……日本の神だが異国から渡来
- 弁財天……インド(水の神)
- 毘沙門天……インド(仏法を守る神)
- 福禄寿……中国(道教の神・南極星)
- 寿老人……中国(福禄寿に同じ)
- 布袋……中国の禅僧・契此(かいひ)
- 恵比寿……日本の神だが異国から渡来
- 大黒天……インド+日本