昨夜は飯田橋のホテル メトロポリタン エドモンドにて「第39回日本SF大賞贈賞式」。
今回から贈賞式と祝賀パーティーを分離し、贈賞式はパーティー会場とは別の場所で、じっくり選考経過や受賞の挨拶などが聞けるようになりました。これは良いですね。
以前にも書きましたが、今回の受賞は次のとおり――
- 【大賞】
- 『飛ぶ孔雀』山尾悠子(文藝春秋)
- 『文字渦』円城塔(新潮社)
- 【功績賞】
- 横田順彌
大賞のお2人の受賞の言葉から抜粋してみます――
- 「SFとわたし」山尾悠子
- 私の創作はSFというファクターを必要としない。つねに空想することを好むが、空想する自由は誰の支配下にも置かれない。(中略)SFではない『飛ぶ孔雀』がどうしてSFの賞を頂けるのか、今のところ謎のままである。
- 「受賞の言葉」円城塔
- 文字渦はSFなのかと問われると、違う、というのが自分の中の答である。(中略)SFではないと思っているのに、日本SF大賞という賞をこうして頂いている理由というのは、もらえるものはもらうというが方針だからで(後略)
ということで、どちらも自作をSFでないと位置づけていらっしゃいます。運営側としては、受けてもらえるかどうかという不安が大きかったらしい。
まぁ、SFが何かという問題になってくるのでしょうが、私としては両者ともにSF大賞にふさわしいものだと思います。
功績賞の横田さんは、SFの賞を大喜びしてくれるはずですが、「死んでから貰っても、本人にはわからないし、喜びようがない」とボヤいていそう。
受賞の挨拶は横田さんが深く関わった古典SF研究会会長の北原尚彦さん。「横田さんは、小説でもらいたかった、と言っておられるのでは」と故人の気持ちを代弁していました。
写真は、左から、山尾悠子さん、円城塔さん、横田順彌さんのお姉さまと姪御さん。