惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

ダンさん

2005-07-06 21:25:48 | アニメ・コミック・ゲーム
 朝日新聞朝刊でマンガ家の永島慎二さんが先月10日に亡くなられていたことを知る。

 高校時代に読んだ『漫画家残酷物語』(朝日ソノラマ・サンコミックス)が何といっても強烈でした。貸本屋向けのマンガ雑誌にポツリポツリと発表していた短編をまとめたものだと思いますが、マンガに情熱を傾ける青年の姿を描き、他に例のない私マンガ的境地を拓いていました。主人公たちの激しい生き方は、マンガに限らず、真摯に向き合う対象を持つことの崇高さと悲惨さとを教えてくれたものです。
 雑誌〈COM〉に連載されていた『フーテン』を読んだのも、ほぼ同時期だったはず。新宿でフーテンと交流する主人公のナガヒマヒンジことダンさんは、私の中では、アメリカ西海岸でヒッピーと同居していたSF作家フィリップ・K・ディックと通じるところのある人物でした。

 亡くなられた6月前半当時、朝日新聞東京版では「中央線の詩/青雲・阿佐ヶ谷」という企画特集で永島さんを取り上げています(5月31日~6月15日掲載分)。この連載が永島さんへの手向けになってしまったのは何とも感無量。
 それにしても朝日新聞はもう少し早く取材した人の消息を知ることができなかったものでしょうか。訃報が遅過ぎると思いました。

 我が家のどこかに〈刑事〉に掲載された「陽だまり」(だったと思います。『漫画化残酷物語』中の一編)を切り抜き、綴じた自家製本があるはずなのですが、例によって発掘することができません。残念。

 この前の高田渡さんといい、永島さんといい、中央線沿線の文化人には個性的で、影響力の強い人が多いですね。

 永島さん、素晴らしいマンガをありがとうございました。安らかにおやすみください。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿