金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

日経平均、震災後最高値を更新

2012年03月27日 | 株式

3月27日火曜日、日経平均は236.91円上昇して10,255.15円。震災後最高値を更新した。アジアの株式市場は前日のバーナンキ議長の雇用市場をサポートするため量的緩和を持続するというコメントで高騰した米国株の流れを受けて好調に推移した。

バーナンキ議長のマーケット・フレンドリーな発言に極めて素直に反応した日経平均だが、これはバーナンキ議長のハト派的発言を歓迎した外国勢が日本株を買っているということだろうか?

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日経平均は1.2万円を目指す?

2012年03月14日 | 株式

今日(3月14日)午前中、日経平均株価は2百円を超える上昇で1万円を超えた。このままの勢いが続くと、引け値でも1万円を超えそうだ。

「日経平均は1.2万円を目指す」という証券会社の威勢の良い言葉(例えばSMBC日興証券)も夢物語ではなさそうだ。もし日経平均が1.2万円を回復するようなことがあれば、1986年以降最高のパフォーマンスの年になるとFTは述べるが。

そのFTは日経平均が1万円の足場を固め更に伸びるためには2つのことが必要だという。一つは外国人投資家の日本株に対する投資意欲が戻ってくることだ。90年代後半以降外国人が日本株の最大の買い手(約27%を保有)なので、株価動向は外人の投資意欲で左右される。

今のところ外国人は昨年の5月から11月にかけて売り越した株の半分以下しか買い戻していない。また昨年同時期に較べると約3割少ない。

多くのアナリストは日本株を買う強い理由は、流動性相場で株価が上がった後でも、日本株はバリュエーション上割安だというものだ。5年平均の株価純資産倍率で見ると、日経平均は米国のS&P500より割安だ。また配当利回りについても、日経平均の1.95%はS&Pの1.98と非常に接近している。このことは日経平均が将来上昇する可能性を示唆している。

また日経平均の向こう1年間の一株当り利益は24%上昇する(S&Pは8%)というのが、アナリストのコンセンサスだ。

2番目の必要条件は円安の持続である。これは円が米ドルだけでなく韓国ウォン等他の通貨に対しても弱含みを持続させることを意味する。ドイツ銀行の為替ストラテジストによると、日本株と円・韓国ウォンの相関関係は円・米ドルよりも強い。

FTはこの二つの条件がそろうと、個人投資家の日本株に対する関心が目覚め、機関投資家の投資枠からはみ出す分を吸収し、強い相場が持続するとアナリストは予測する。

またGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、株式への資産配分比率をターゲットの11%から少なくとも12.3%に引き上げているのではないか?とみずほ証券の北岡氏は述べている。

FTはこのような個人から年金基金までに及ぶ広範なプレーヤーの株式市場への参加は9年前(03-04年)のような大ラリーを引き起こす可能性があるというUBS証券のエコノミストの言葉を引用して記事を結んでいる。

☆   ☆   ☆

個人的な体験談になるが、9年前のラリーの時はかなり日本株で含み益がでた。それは2000年ごろから毎月株式ファンドの定額購入をしていたからだ。だがその含み益の内一部は利食って何かに使ってしまい、利食わなかった部分はその後の株価の低迷で消えてしまった。それは泡沫の夢のような話である。

いや当時はまだ若くサラリーマン生活の地平線も遠かったので、資産運用による損得にも恬淡としていることができた。だが私も年を取ってきた。

もし株式ラリーが10年に1回程度おきるものだとすると、次のラリーが積極的に参加する最後のチャンスかもしれないという感じがしないでもない。果たしてそのような大相場が来るのだろうか?

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日米欧中銀の協調もバンドエイドか?

2011年12月01日 | 株式

昨日(11月30日)日米欧の主要中央銀行は市場にドル資金の供給を拡大する協調対応で合意した。株式市場は素直に好感し、S&P500は4.3%上昇した。日本株も今日(12月1日)2.4%程上昇している。米国株の上昇幅は09年3月23日以降最大だ。

だがこのラリーも長続きしないのじゃないか?という疑心暗鬼の声が聞こえる。

ニューヨークタイムズは「08年の年末から4%を超える株価の急上昇が8回あったが、同じ幅の下落が10回起きている。今回は違うと言えるのか?」と懸念を示す。

米国株で上昇が目立ったのは金融株で、モルガンスタンレーは11%以上も上昇した。

ニューヨークタイムズは明言していないが、昨今の株価の急落と急上昇(たとえばバンカメの株は一昨日3%以上下落して、昨日は7.3%上昇した)を見ると、空売りを含めて投機筋の荒っぽい動きが透けて見える。

中央銀行が協調策をアナウンスして市場をなだめている間に、来月9日に予定されている欧州首脳会議に向けて、欧州諸国は具体的で力強いソブリンリスク対策を打ち出せるだろうか?

「これは欧州債務危機を解決するための時間稼ぎなんだ。基本的にはバンドエイドである」とLPLフィナンシャルのチーフインベストメントオフィサーのWhite氏は述べている(タイムズ)。

バンドエイドでは治療できないのが今回の欧州の債務危機。出血を一時的に止めている間に痛みを伴う外科手術ができるかどうかにかかっている。

抜本的対策が打ち出されない時の市場の失望は大きいだろう。

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ブラックフライディ売上好調でアジア株上昇

2011年11月28日 | 株式

今日(11月28日)のアジア株はおしなべて好調だった。日経平均は127円1.6%上昇。FTによるとMSCIパシフィック指数は1.7%上昇、これは11月4日以降一番の上昇だ。

株式相場が好調だった理由は、日曜日に全米小売業協会が発表したブラックフライディの売上が非常に好調だったこととIMFがイタリアに金融支援を行なうのではないかというレポートを投資家が歓迎したからだ。

ブラックフライディというのは、感謝祭の後の11月の第4金曜日の通称で、この日からクリスマス商戦が始まる。なぜブラックフライディというかというとこの日小売業が黒字になる(つまりブラック)からだとそうだ。

全米小売業協会によると、買い物客一人当たりの消費額は昨年比9.1%の伸びでこれは2006年以降最大の伸びだ。

1週間ほど前のギャラップ調査を見ると、米国の高所得層(年収9万ドル以上)の経済への信頼度合いの改善が続いている。といっても8月には経済状態は悪くなっているという人の割合が8割で11月にはそれが7割に減ったという話なのだが・・・・

このようなセンチメントの変化がサイフの紐を予想外に緩めたのだろうか?

長続きするかどうかは分からないが、暗い話題が多い中ちょっと明るい話ではある。

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うさぎは跳ねる、とりあえず好調そうなスタートだが。

2011年01月04日 | 株式

相場の格言では「兎年は跳ねる」そうだ。戦後5回の兎年の日経平均株価の平均上昇率は24.9%で子(ね)年の39.0%に次ぐ。もっとも最近の日本の株価は外国人投資家の影響を強く受けるし、日本経済は米国経済のみならず中国・インド等アジアの新興国経済の影響を強く受けている。干支(えと)文化圏以外の人々がどれほど「兎年は跳ねる」という格言に注意を払っているかどうかは分からない。

干支の格言はさておき、新年の世界の株価は好調なスタートを切った。株価を牽引したのは全米供給管理協会が発表したISM製造業景気指数など製造業の好調さを示すデータだ。

12月のISM製造業景気指数は17ヶ月連続して上昇し57ポイントに達した。FTはウエルスファーゴのエコノミストSilvia氏の「2011年の経済成長はコンセンサスの2.6%より早い可能性が高い」という言葉を紹介している。

アジアでは韓国と台湾の製造業指数が好調。FTによるとHSBCとMarkitによるPMI指数は韓国が53.9(11月は50.2)、台湾が54.7(11月は51.7)である。欧州でもドイツ、フランス、オランダが牽引して製造業指数は好調だ。

世界的に好調な製造業の影響と米国の寒波、オーストラリアの大洪水の影響で原油や石炭の値段が上昇している。JPモルガン調査部門のEagles氏によると「1バレル100ドル」の時代が不気味に近づいている。

新興アジアではインフレが加速している。インドネシアでは12月の物価上昇率は11月を0.3ポイント上回る6.9%となった。中国では11月の物価上昇率が過去28ヶ月で一番高い5.1%になったことを受けてクリスマスの日に人民銀行が金利を引き上げた。だが野村(香港)のエコノミストはエネルギーと食糧価格の上昇を政府がコントロールすることは困難なので中国でインフレが直ぐに沈静する見込みは低いと述べている(FTより)。

兎年に跳ねるのは株価だけではなく物価も跳ねる・・・ただし除く日本、ということになるかもしれない。順調な経済成長と株価の上昇は中国を中心としたアジア諸国の政府の舵取りにかかっているというのが今年前半のポイントのようだ。

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