金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

メガバンクのリテール戦略は「預金だけの人は来ないでください?」

2023年05月23日 | 金融
 今日(5月23日)の読売新聞朝刊に「三菱UFJ銀行が6月から一部地域でキャッシュカードだけに対応するATMを導入することがわかった」という記事が出ていました。三菱UFJ銀行については4月下旬に「10月2日から送金手数料を引き上げる」と発表しています。送金手数料はチャンネル・金額・相手銀行によって異なりますが、一番高い「店頭・3万円以上・他行あて」の場合現行770円が990円になります。なおインターネットバンキング利用の場合は現在と同じく220円(他行あて3万円以上の場合)です。
 これら一連の三菱UFJ銀行の個人客対応を見ていると次のようなことが分かります。
  • 銀行としては手間のかかる窓口での送金は取り扱いたくない
  • 普通預金の無通帳化を促進し、通帳発行コストやATM維持コストを減らしたい
さらにいうと「銀行窓口には手数料が入る投資信託を購入するような儲けにつながる顧客には来て欲しいが儲けに繋がらない預金だけのお客さんには来てほしくない」と言っているのです。

 それならば顧客の方も「もうできるだけ銀行にはいかない。極力資金取引はネットで行います。そして銀行に販売手数料を払う投資信託の取引もしません。投資信託の替わりに信託報酬が低いETF(上場型投信)をネット証券で買います」と言ってみましょう。
 
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グーグルの検索エンジンはチャットGPTに負けず。株価も証明

2023年05月23日 | 投資
 チャットGPTが衝撃的なデビューを果たした時、それを搭載するマイクロソフトの検索エンジンBingがグーグルのシェアを奪うのではないか?という推測が投資家の間に広がっていた。
 ところが実際にチャットGPTを使ってみると分かることだが、その検索力はグーグルにかなり劣る。
 私が経験した例では「日本の都道府県別最高峰(最高地点の名称)の名称と標高を示してほしい」というプロンプト(命令)をチャットGPTに出したところ直ぐに回答が返ってきたが、一見して幾つかの間違いがあった。例えば最初の北海道の最高点を「剣岳2,191m」としているが、正しくは「大雪山旭岳2,291m」である。
 グーグルで検索すると国土地理院が公開している「都道府県の最高地点」というページを呼び出すことができる。このページのURLをエクセルから取り込むとデータ加工が容易なスプレッドシートとしてデータを取り込むことが可能だ。
 このように現時点では、チャットGPTは検索エンジンとしてグーグルに劣っている面があるといえる。なお引く抜くデータ値が正しい場合は、複数のデータソースから一つのリストに瞬時にまとめる機能があるので、チャットGTPの長所があることも忘れてはいけないだろう。
 ただそのデータ値が正しいかどうかは、人間が検証する必要があるのだ。

 さてWSJに「世界最大のスマートフォンメーカー・サムソン電子がデフォルト・サーチエンジンをグーグルからマイクロソフトのBingに変える社内での検討を見合わせる」という記事がでていた。
 現在グーグルは検索エンジンの利用シェアの93%を占め、Bingのシェアは3%に過ぎない。調査機関のデータによるとチャットGTPが登場してからもグーグルのシェアに大きな変化はないようだ。
このような事実を踏まえて、投資家の懸念も後退し、一時値を下げていたグーグル株は目先ではマイクロソフトを上回る勢いで上昇している。

 

 
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