金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

日本株好調の原因は?

2023年05月31日 | 投資
 今日(5月31日)の東京市場は利益確定の売りで値を下げて始まっているが、今年に入って日本株は好調だ。
 その大きな理由は外国人投資家の買い越しと言われているが、WSJにもう少し突っ込んだ解説があった。日本株の好調相場がどの程度続くのか?ということを判断する上で目を通しておいてよいだろう。(A  Foreign capital invasion could lift Japan's stocks)
 記事によるとTopixは今年14%上昇した。これは1990年以来のこと。
 外国人投資家が積極的に買いに回り、5.6兆円の純増となっている(4月3日~5月19日ゴールドマンザックスによる)。
株価を押し上げている一つの要因は、記録的な配当レベルと自社株買いだ。
その背景には株主アクティビズムの高まりがある。それにともなって外国人投資家が日本株のウエイトを上昇修正している。
 だが世界的なファンドレベルでは、日本株はまだまだアンダーウエイトだ。
 ゴールドマンザックスによると最近の買い増しにも関わらず、世界的なファンドでは日本株は6.8%アンダーウエイトとなっている。
 日本株が買われているもう一つの理由は中国株が低迷していることだ。中国経済はコロナから回復しているが、投資家は中国の雇用市場の低迷、規制リスク、地政学的懸念から中国株を避けている。
 その分日本株へのアローケーションが高まるのではないかという見方をWSJは示していた。
下のグラフは年初来のTopix、ナスダック、S&P500、上海総合指数を示したものだ。日本株は米国市場全体の指数であるS&P500に較べるとパフォーマンスは良いがハイテク銘柄が多いナスダックに較べると見劣りする。
 現在のところ米国の機関投資家筋は、インフレ・連銀の高金利政策・リセッション懸念・連邦債務上限問題などから株式ウエイトを下げてきた。
 だがこれらの問題に解決の兆しが見え始めると、株式ウエイトを高めるため、買い圧力が米国株を押し上げる可能性がある。その時日本株は更に買われるのだろうか?

 

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