天皇の退位後の呼称
自民党憲法改正草案を読む/番外65(情報の読み方)
2017年01月12日毎日新聞(西部版・14版)1面に面白い記事がある。朝日新聞にも類似の記事があるが、朝日の記事は「結論」に至っていない。で、毎日の見出しと記事。
退位後「上皇」使わず/政府方針「前天皇」を検討
政府は天皇陛下が退位した後の呼称について、歴史的に使われてきた「太上天皇」と略称の「上皇」は使用しない方針を固めた。上皇が天皇より上位にあるとして政治に関与した歴史があり、皇位の安定性に懸念を抱かせる恐れがあると判断した。代わりに天皇より上位とみなされにくい「前天皇」や「元天皇」とすることを検討している。
思わず私は笑い出した。「上皇が天皇より上位にあるとして政治に関与した歴史があり、皇位の安定性に懸念を抱かせる恐れがあると判断した。」というが、天皇は「権威」を目指して「退位意向」を表明したのか。なぜ、そんな心配をするのか。
こんな懸念が出てくるのは、今回の「生前退位」が安倍の仕組んだものであることを証明している。安倍が天皇を「退位」させたい、口封じをしたいと狙っている。「上皇」という「天皇」よりも上位の位を与えてしまうと口封じができなくなる、そう懸念しているのだ。
また、今回の「生前退位」が「一代限り」の「特例法」で進められるのなら、今後「上皇」が誕生するはずがない。無意味な「懸念」ということになる。
「上皇」が存在してまずいのは、次の場合だ。
天皇が「生前退位」させられ、皇太子が「新天皇」になる。その「新天皇」が気に食わなくて、さらに「生前退位」を迫る。秋篠宮が「新・新天皇」になる。そのとき「新天皇」をどうするか、という問題が起きる。「上皇」にすると、それこそ「上皇」が2代つづき、「歴史」になる。そして、皇太子と秋篠宮の「いさかい(?)」を招くことにもなる。そういう時だろう。
ということは。
安倍は今の天皇の「生前退位」だけでなく、皇太子の天皇即位→生前退位、そのあと秋篠宮の天皇即位を想定しているということにならないか。(私は、このあとさらに悠仁の「摂政」まで想定していると「妄想」しているのだが。)
「生前退位」の意向の表明が、ほんとうに天皇の「自発的」表明であったのなら、天皇が「上皇」になったからといって、その地位を利用して政治に関与するはずがない。そんなことをすれば天皇が嘘をつくことになる。ビデオで「天皇には政治に関与する権能がない」といったのは、「上皇」になることで「憲法」を超え、政治に関与するためだ、ということになる。それでは「象徴天皇の務め」と相いれないだろう。
安倍は、天皇を「生前退位」させるだけでは、まだ不安なのだ。なんとしても口封じを「完璧」にしたいのだ。
毎日新聞には、次のくだりもある。
有識者会議では「院政期の上皇は権力を持つために退位したので、現行憲法下の象徴天皇と結びつけるのは飛躍がある」として、懸念は不要との意見もあった。
しかし、上皇は歴史的な称号で権威を与えかねず、新天皇に即位する皇太子さまとの「国民統合の象徴の分裂」が起こる懸念がある。「二重権威になっていさかいが起こるイメージがある」(有識者会議関係者)こともあり、使用を見送る判断に傾いた。
これを読むと、「有識者会議」の意見から採用されるのは、「政府(安倍)」の都合のいい意見だけということがわかる。
後段のコメントの「有識者会議関係者」が曲者である。毎日新聞は「有識者会議のメンバー」とは書かずに「関係者」と書いている。「関係者」なら当然、安倍側の人間も含まれるだろう。安倍が天皇の口封じに必死になっていることが、ここからも感じられる。
自民党憲法改正草案を読む/番外65(情報の読み方)
2017年01月12日毎日新聞(西部版・14版)1面に面白い記事がある。朝日新聞にも類似の記事があるが、朝日の記事は「結論」に至っていない。で、毎日の見出しと記事。
退位後「上皇」使わず/政府方針「前天皇」を検討
政府は天皇陛下が退位した後の呼称について、歴史的に使われてきた「太上天皇」と略称の「上皇」は使用しない方針を固めた。上皇が天皇より上位にあるとして政治に関与した歴史があり、皇位の安定性に懸念を抱かせる恐れがあると判断した。代わりに天皇より上位とみなされにくい「前天皇」や「元天皇」とすることを検討している。
思わず私は笑い出した。「上皇が天皇より上位にあるとして政治に関与した歴史があり、皇位の安定性に懸念を抱かせる恐れがあると判断した。」というが、天皇は「権威」を目指して「退位意向」を表明したのか。なぜ、そんな心配をするのか。
こんな懸念が出てくるのは、今回の「生前退位」が安倍の仕組んだものであることを証明している。安倍が天皇を「退位」させたい、口封じをしたいと狙っている。「上皇」という「天皇」よりも上位の位を与えてしまうと口封じができなくなる、そう懸念しているのだ。
また、今回の「生前退位」が「一代限り」の「特例法」で進められるのなら、今後「上皇」が誕生するはずがない。無意味な「懸念」ということになる。
「上皇」が存在してまずいのは、次の場合だ。
天皇が「生前退位」させられ、皇太子が「新天皇」になる。その「新天皇」が気に食わなくて、さらに「生前退位」を迫る。秋篠宮が「新・新天皇」になる。そのとき「新天皇」をどうするか、という問題が起きる。「上皇」にすると、それこそ「上皇」が2代つづき、「歴史」になる。そして、皇太子と秋篠宮の「いさかい(?)」を招くことにもなる。そういう時だろう。
ということは。
安倍は今の天皇の「生前退位」だけでなく、皇太子の天皇即位→生前退位、そのあと秋篠宮の天皇即位を想定しているということにならないか。(私は、このあとさらに悠仁の「摂政」まで想定していると「妄想」しているのだが。)
「生前退位」の意向の表明が、ほんとうに天皇の「自発的」表明であったのなら、天皇が「上皇」になったからといって、その地位を利用して政治に関与するはずがない。そんなことをすれば天皇が嘘をつくことになる。ビデオで「天皇には政治に関与する権能がない」といったのは、「上皇」になることで「憲法」を超え、政治に関与するためだ、ということになる。それでは「象徴天皇の務め」と相いれないだろう。
安倍は、天皇を「生前退位」させるだけでは、まだ不安なのだ。なんとしても口封じを「完璧」にしたいのだ。
毎日新聞には、次のくだりもある。
有識者会議では「院政期の上皇は権力を持つために退位したので、現行憲法下の象徴天皇と結びつけるのは飛躍がある」として、懸念は不要との意見もあった。
しかし、上皇は歴史的な称号で権威を与えかねず、新天皇に即位する皇太子さまとの「国民統合の象徴の分裂」が起こる懸念がある。「二重権威になっていさかいが起こるイメージがある」(有識者会議関係者)こともあり、使用を見送る判断に傾いた。
これを読むと、「有識者会議」の意見から採用されるのは、「政府(安倍)」の都合のいい意見だけということがわかる。
後段のコメントの「有識者会議関係者」が曲者である。毎日新聞は「有識者会議のメンバー」とは書かずに「関係者」と書いている。「関係者」なら当然、安倍側の人間も含まれるだろう。安倍が天皇の口封じに必死になっていることが、ここからも感じられる。
詩人が読み解く自民党憲法案の大事なポイント 日本国憲法/自民党憲法改正案 全文掲載 | |
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