* (ぼくの唇はそれつきり閉じられた)
その結果、「やさしい言葉は出てこない」。そのあと詩は転調する。
「微風」と「小枝」は響きあう。さらに「小枝のさき」と「残る」も響きあう。そういう「響き(音楽)」を経由したあと、「円い実が動く」とことばが結ばれる。
「微風に」「動く」。ここにも響きあいがある。その動きは、当然「小さい」。(小枝が、そういう方向へことばを動かしていく。)
こういう運動をさらにスムーズにしているのが「円い」である。
これは「現実」の風景というよりも、こころがつくりだした情景というものだろう。
他者に向けてではなく、自分自身の風景のためにことばが動いている。こういうことを「閉ざす」というのかもしれない。
*
詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
定価の下の「注文して製本する」のボタンを押すと購入の手続きが始まります。
私あてにメール(yachisyuso@gmail.com)でも受け付けています。(その場合は多少時間がかかります)
その結果、「やさしい言葉は出てこない」。そのあと詩は転調する。
微風に
小枝のさきに残つている円い実が動く
「微風」と「小枝」は響きあう。さらに「小枝のさき」と「残る」も響きあう。そういう「響き(音楽)」を経由したあと、「円い実が動く」とことばが結ばれる。
「微風に」「動く」。ここにも響きあいがある。その動きは、当然「小さい」。(小枝が、そういう方向へことばを動かしていく。)
こういう運動をさらにスムーズにしているのが「円い」である。
これは「現実」の風景というよりも、こころがつくりだした情景というものだろう。
他者に向けてではなく、自分自身の風景のためにことばが動いている。こういうことを「閉ざす」というのかもしれない。
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詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
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