東京地裁で和解が成立し、フラッシュメモリーの開発者である
元社員に対し東芝が8700万円の「報償金」(和解金)を支払う
ことになったという。
会社側にもそれなりの言い分はあろうと思うが、8700万円とは
あまりにも少なすぎる、と思うのは「ヲタク」だけではあるまい。
運さえよければ誰でも宝くじで3億円を手にできるのが日本だ。
日夜、現場で汗を流す技術者や研究者の努力がもっともっと
報われる会社や社会になってほしいものだとつくづく思った
「ヲタク」であった。
ところで、韓国でもいくつかのメディアがこのニュースを伝えて
いたが、日本の報道とは異なる大きな特徴を一つ発見(?)した。
それは、フラッシュメモリー開発にまつわる経緯(逸話?)の説明が
あるかないかの違いだ。
元社員は東芝在職当時、品質向上関連の技術者として勤務して
いたが研究職員ではなかった。だから、彼は自分の業務を終えた
後の時間や休日を利用し研究に励み、フラッシュメモリーを
開発したのだそうだ。
「ヲタク」はこの逸話を韓国の新聞(電子版)を通じ初めて知った。
「ヲタク」が目を通した限り、関連記事を配信した韓国のメディアは
全て例外なくこの逸話を紹介していた。
一方、日本の報道は、「ヲタク」が接した限り、この逸話を紹介した
メディアは一つもなかった。念のため、この種の分野に関心を持つ
職場の同僚にも確認してみたが、彼もこの逸話を知らなかった。
ニュースでは「プロジェクトX」のような「感動秘話」を伝える必要は
ないということか?それとも、日本のメディアが東芝という大企業に
何らかの配慮をした結果なのだろうか?
よくわからない。
いずれにしろ、「ヲタク」は、東芝がいつまでもこのような
「非正規」の企業内研究を黙認(?)する大らかな風土を持つ
企業であり続けてほしいと思う。
それとも、既にこうした研究が許されない、「管理主義」が幅を
利かす企業になってしまっているのだろうか?
--- またもや「ヲタク」の余計なお世話であった。
それでは、韓国メディアの関連記事の中から一つだけ翻訳し
記録しておく。今回の報道については、興味深い事実を
伝えてくれた韓国のメディアに率直に感謝したい。
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■ “플래시 메모리는 내 자식이다”
「フラッシュメモリーは、私の子どもだ」
(朝鮮日報 7月28日)
・플래시 메모리 발명 日 마스오카 교수 도시바에 승소
보상금 8억원 받아
・フラッシュメモリーを発明した日本の舛岡教授、東芝に勝訴、
報奨金は8億ウォン
디지털카메라와 휴대전화에 사용되는 기억장치인 플래시
메모리를 발명한 일본 도후쿠(東北)대학 마스오카 후지오
(舛岡富士雄·62) 교수가 일본 도시바(東芝)사를 상대로 법정
소송 끝에 8700만엔(약 8억원)의 발명보상금을 받아냈다.
마스오카 교수는 27일 회사측과 이 같은 내용으로 화해했다.
デジタルカメラや携帯電話に使われている記憶装置である
フラッシュメモリーを発明した東北大の舛岡富士雄教授(62)が、
東芝を相手取り提訴した裁判で27日、和解が成立し、舛岡教授は
8700万円(約8億ウォン)の発明報奨金を手にすることになった。
마스오카 교수는 도시바에 재직 중이던 지난 1980년과 1987년
두 종류의 플래시 메모리를 발명했으나 100만엔의 수고료밖에
받지 못하자 지난 2004년 도쿄지방재판소에 회사측을 상대로
11억엔의 ‘발명 대가’를 청구하는 소송을 제기했다.
舛岡教授は東芝に在職していた1980年と1987年に2種類の
フラッシュメモリーを発明した。しかし、会社から100万円の
謝礼しか支給されなかったことを不服として、2004年、会社を
相手取り「発明の対価」として11億円の支払いを求める訴訟を
東京地裁に提起した。
마스오카 교수는 도시바 재직 당시 품질 향상을 담당하는
종업원이었으며, 연구직이 아니었기 때문에 일과 후나 쉬는
날 연구에 매달려 혼자 힘으로 플래시 메모리를 발명했다.
舛岡教授は東芝在職当時、研究職ではなく品質向上を担当する
技術者として勤務していたため、勤務終了後の時間や休日を
利用しながら研究に没頭し、独力でフラッシュメモリーを発明した。
마스오카 교수가 발명한 플래시 메모리는 도시바가 양도받아
일본 국내외에서 모두 201개의 특허권을 따냈으며, 도시바는
2003년까지 100억엔의 특허권 사용료와 일본 국내 독점 판매
이익을 포함해 200억엔의 수익을 올렸다.
舛岡教授が発明したフラッシュメモリーは東芝が譲渡を受け、
日本国内で合計201の特許権を取得し、東芝は2003年までに
100億円の特許権使用料と日本国内での独占的販売による
利益を含め、200億円の収益を上げた。
마스오카 교수는 “기술자를 소중히 여기는 것이 일본의 산업
발전으로 이어진다”면서 “청구액에 비하면 만족할 만한 수준은
아니지만 큰 전진이라고 생각한다”고 소감을 밝혔다.
舛岡教授は「技術者を大切にすることが日本の産業の発展に
つながる。請求額に比べると満足できるレベルではないが、
大きな前進だと思う」と感想を語った。
마스오카 교수가 지급받은 발명보상금 액수는 니치아(日亞)
화학공업의 청색발광다이오드(6억800만엔), 아지노모토
(味の素)의 인공감미료 제조방법(1억5000만엔)에 이어
세 번째다.
舛岡教授が受け取る発明報奨金の金額は日亜化学工業の
青色発光ダイオード(6億800万円)、味の素の人工甘味料
製造法(1億5000万円)に次ぎ3番目に大きな額となる。
(終わる)