今日、韓国の各種メディアはいわゆる「쌍춘년효과(双春年
効果)」により、2006年の新生児出産数が前年を1万人
以上上回るとともに、出生率も上昇したことを大々的に
伝えていた。
△国民日報(資料:統計庁)
「双春年」とは旧暦に換算した1年間に立春(新暦2月4日
前後)が2度訪れる年で、その年に結婚した夫婦は
幸運に恵まれると言う。
一説によると200年に一度しか訪れない実に
「ありがたい年」ということになっている。
昨年、旧暦の2006年は新暦1月29日(旧正月)に
始まり翌年2月17日に終わる年だったので、立春
(新暦2月4日前後)が1年に2度訪れる「双春年」に
あたっていたのだ。
昨年の段階ですでに、結婚ブームや婚礼品特需という
社会現象が起きていた。
ところで、おめでたい話にケチを付けるようで若干、気が
引けるが、一部の韓国メディアも伝えていたように、
旧暦に換算した1年間に立春が2度訪れるのは、実は
全く珍しい現象ではない。
それどころか、「双春年」とは2、3年に一度は確実に
めぐってくる「ごくごくありふれた」現象なのだ。
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□ 2006年前後の旧正月(新暦)と「双春年」
2000年 2月5日
2001年 1月24日 ※双春年
2002年 2月12日
2003年 2月1日
2004年 1月22日 ※双春年
2005年 2月9日
2006年 1月29日 ※双春年
2007年 2月18日
2008年 2月7日
2009年 1月26日 ※双春年
2010年 2月14日
2011年 2月3日
2012年 1月23日 ※双春年
2013年 2月10日
※「こよみのページ」(新暦と旧暦)を参考に作成。
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来年以降数年の旧暦を見ただけでも2009年と
2012年には、また立春(新暦2月4日前後)が1年に
2度あるありがたい「双春年」がめぐって来るのである。
しかし、2006年のような「双春年現象」が再び現れる
ことは、もうないのではないかと「ヲタク」は見ている。
実際、「ヲタク」が知る限り、2006年以前の段階で
「双春年」が話題にされることは全くなかったし、現時点でも
国語(韓-韓)辞典などに「双春年」という用語の
記載はない。
△国語辞典にも「双春年」はない
それにしても、突如沸き起こった2006年の「双春年
現象」とは一体何だったのか?
この現象の震源地は、一応、中国にあるようだが、
降って沸いたような根拠の曖昧な俗説が、いつの間にか
大きな社会現象と化した2006年の「双春年現象」。
こうした現象は、伝統に根ざしたいわゆる「迷信」とも
性格を異にしているように思える。
いずれにしても、こうした不可解な謎とごく当たり前の
ように同居を続けているのが現代の韓国社会なのだ。
韓国社会とは、実に持って「奥」が深い。(皮肉ではない)
(終わり)
参加カテゴリ:地域情報(アジア)/語学・英会話