風のこたろう

'05年4月6日~'07年4月7日 ウランバートル生活日記
'09年8月~  詩吟三昧の徒然日記

花ぬすびと

2006年10月27日 | チンゲル亭裏日記

「花ぬすびと」と夫から美しい言葉を聞きました。
無くなった3個の陶器のことを話したら、その言葉が返ってきました。
むくむくと、もたげてきていた黒雲がそれで打ち払われて、いい気分になりました。

美しいとはいえない荒削りの器を、気に入って持っていってくれたのなら、それでよしとするかと言う気分になりました。

ところが、夜になって担当の方にお聞きしたら、3個の器は預かっているとの事。机の下に置いてあったそうです。
8点の作品が、3個と5個に泣き別れになってしまった原因はわかりませんが、どうやら無事保管して下さっていることが分かり、ほっとしました。

「花ぬすびと」の言葉のおかげで、いったいどいつだ!と荒げるはずの気持ちを、どんな人かなぁと想像し、お尋ねするときも、静かにたずねることができて、良かったなぁ。

大変お騒がせしました。

でもちょっとがっかり、気に入って持っていってくださったと思ったのは間違いだったので、そうか、やっぱりなぁと。
コメント

トメン エヘで練習

2006年10月27日 | UBから
 オルティンドーの先生ビャンバジャルガルさんの所属するトメン エヘ

この中の2階に舞台があり、その横にあるピアノで、毎週先生のレッスンを受けています。

先日のオルティンドーの余韻もあって、何とか大きいだけのうるさい声ではなくて、やわらかい声を出すための呼吸法を、もう一歩理解を深めたいと思うのです。

今日は、喉の調子が良くないので、レッスンを1駒にしてもらいました。
唄の練習よりも高さを低くして、発声練習を重点にしてもらいたいと心積もりをして臨みました。

赤いドアの中は、小さめのホールになっていて、演奏が始まる(毎日6時)直前にチケットを売り始めるブースがあります。その場所には、いつもは警備員がいかめしい顔で座っています。

モンゴル人は一度見たら忘れないはずなのですが、毎回「何しに来た!」と言われます。私のモンゴル語が通じない人、聞く耳を持たない人、ほんとに分かったのかと驚くほど理解の早い人、いろいろ居て、面白いのです。
通訳さんが居ても、まず、私のモンゴル語で、「ビャンバジャルガル先生の、オルティンドーの授業に来ました。2時半から」と。

今日は、2階から降りてきた二人の踊り手さんたちが、初めて「ニホンジン?」と話しかけてきて、上にジャルガルが居ます。うえに行きなさい。と言っているようでした。
それで、時間前に上に上がりました。
授業の都合で少し遅れると言うトゥールさんの連絡は、先生にも届いていたので通訳が居なくても大丈夫始めましょうという先生の意思表示のようでした。

通訳無しにレッスンをするのは初めてです。
ここ1年、同じことを注意されている(^_^;)ので、先生が大体どんなことを言っているのか大体分かりました。

それで、初めて分かったのですが、シルシットと言うバイブレーションの手法は喉ではなくて、胸に響かせるのだと言うことが分かりました。
先生が私の手を取って、自分の胸に置いて発声をしてくれました。
心地よい体温と振動が私の手に伝わってきました。
そうだったのかぁー!!!

頭では分かりました。胸に響かせると、バイブレーションが密に細かに揺れました。
そして、あごも喉も一切動きません。

力が入っているのは、お腹だけ、ウエストにブス(帯)を巻いたその下の部分だけです。いわゆる筋肉がいくつかに割れるという腹筋ではなくておなかなのです。
息を吸うとき、肩が動いてはいけません。胸も喉もあごも一切力は入っていません。
詩吟のときの「い」は口を横一に結びますが、そうすると喉に力が入るのです。
30年以上続けてきた習慣を忘れることが、大事なことでした。
はぁーと息を吐くように、力を抜いて、そして、お腹に一杯息をためて、、、
なんとなく言っていたらしいというのが、靄の中からはっきりその姿を見せ始めました。
先生は、同じことを1年間言い続けていたことになります。
それだけ、難しいことですと、初めて先生が言ったそうです。
手を変え、品を変え教え続けてくださったことを、やっと、私の体が覚え始めました。
頭で分かると言うことは、まだ分からないと言うことでした。



コメント