毎日新聞朝刊に福音館書店の新SF叢書の広告が載っていました。
大森望さんの監修になる《ボクラノSF》。
おもに中学生向けで、古典的SFが並ぶらしく、今月中旬の第1回配本は次の3冊――
- 『海竜めざめる』 ジョン・ウインダム 作/星新一 訳/長新太 画 定価1890円
- 『闘技場 フレドリック・ブラウンコレクション』 フレドリック・ブラウン 作/星新一 訳/島田虎之介 画 定価1890円
- 『秒読み 筒井康隆コレクション』 筒井康隆 作/加藤伸吉 画 定価1785円
福音館書店のメルマガ「あのねメール通信 1月7日号」に、監修した大森さんのエッセイが載っています。「《ボクラノSF》は、“はじめてSFを読んだころ”の輝きを甦らせるシリーズです」とのこと。続くラインアップはどうなるのか、気になるところ。
第1回配本で「おっ!」と思ったのは『闘技場』のイラストが異色マンガ家の島田虎之介さんであること。
シブいですねぇ。担当編集者のほくそえむ顔が見えるようだ。
島田作品、私はまだ『トロイメライ』しか読んでいませんが、なかなか良かった。ブラウンとのコラボレーションが楽しみ。
〈遊歩人〉2月号が出ました。担当の新刊紹介欄で次の4冊を取り上げています――
- 飯沢耕太郎『きのこ文学大全』(平凡社新書)
- リチャード・フォーティ『地球46億年全史』(渡辺政隆・野中香方子訳、草思社)
- 瀬名秀明『瀬名秀明 ロボット学論集』(勁草書房)
- 長谷川泰三『日本で最初の喫茶店「ブラジル移民の父」がはじめた――カフエーパウリスタ物語』(文園社)
最後の『カフエーパウリスタ物語』に載っている「銀ブラ」という言葉の起源にびっくりしました。
よく言われるのは「銀座ブラブラ歩き」を略したという説で、私もそうだとばかり思っていたのですが、ここには「銀座に行って、カフエーパウリスタのブラジルコーヒーを飲むこと」なのだと書いてあります。大正の始め頃、慶応大学の学生たちが使い始めたというのです。
三田から銀座まで歩いて、パウリスタでコーヒーを飲むのが彼らのお定まりのコースだったらしい。
当時、慶応の学生で、連日、パウリスタまで行ってコーヒーとドーナツで何時間もねばっていた佐藤春夫は「毎日、こんなことばかりしていて末はとどうなつことやら」などと洒落て自嘲したとか。