ウォンバットはちょっと奇妙で愛らしい生きもの。私も大好きです。
日本の動物園にもいて人気を呼んでいますが、童話などには出てこないみたい。
日本の動物園にもいて人気を呼んでいますが、童話などには出てこないみたい。
たぶん、オーストラリア産なのでヨーロッパの人が知ったのが18世紀後半以降だからなのでしょう。アボリジニの伝承には登場するのでしょうか。
私が知っている、物語におけるウォンバットの活躍はマシュー・ニール『英国紳士、エデンへ行く』(宮脇孝雄訳、ハヤカワ・プラチナ・ファンタジー)のみ。
しかし、今日、思わぬところでウォンバットの記述と出会いました。
マーク・ホウ『ミドルワールド 動き続ける物質と生命の起源』(三井恵津子訳、紀伊國屋書店)がその本。
生物学ではなく物理学の一般向けノンフィクションなのですが、ブラウン運動の発見者、ロバート・ブラウンを紹介するくだりの注釈に次のように書かれていたのです――
- ブラウンは生きたままのウォンバットをなんとかリヴァプールに持ち帰った。それはその後二年間生きて、飼い主にすっかりなつき、活発に動きまわり、膝の上に丸くなって寝た。
ブラウンは若い頃、植物学者として5年間のオーストラリア探検に従事し、1805年10月、英国に帰ったのだそうです。これはその時のこと。
ヨーロッパ人とウォンバットの付き合いについてはよくわかりませんが、ブラウンがウォンバットを連れ帰ったのは、ずいぶん早い時期の例なのではないでしょうか。
膝の上で丸くなるウォンバット! かなり重いでしょうね。