朝、小雨が降ったので少し涼しいかなと思っていたのですが、午後から夜にかけて蒸し暑さが増してきました。やっぱり夏だ。
今日のステレオグラムはツユクサ。ツユクサ科の一年草。夏の朝の花ですね。
花びらは3枚。上の2枚は大きくて青い。下の1枚は小さくて白い色をしています。
問題はオシベ。
黄色い小さな花のようなのが3つありますが、これがオシベです。ただし派手なだけで花粉をつけない「お飾り」です。虫を誘う役目を担っているとのこと。
それより少し先に、黄色と茶色が混じったようなものがありますが、これもオシベ。やはり葯(花粉袋)ばかりが目立ちますが、ほとんど花粉はつけません。虫を誘う係の「補欠」といったところでしょうか。
そのさらに先に、先端がくるくる巻きになった3本の器官があります。この中央がメシベで、両側の2本がいわば「本命のオシベ」。きちんと花粉をつけ、子孫を残す任務を果たします。
つまり、ツユクサのオシベは6本あり、きちんと花粉をつけるのは長い2本だけなんですね。「お飾り」は虫の勧誘に徹し、栄養を消費する花粉製作からは手を引いてしまっています。
実は、ツユクサにはもうひとつ秘策があります。それは3本の「くるくる」。
この写真はお昼近くになって撮ったので、もう花も終わろうとしているところ。この段階になると、万一、虫の力で受粉できなかった時のことを考え、本物のオシベとメシベをくるくると巻き上げ、自分ちで受粉してしまうのだそうです(つまりこの3本も最初はまっすぐ伸びていたのです)。
「自家受粉」あるいは「同花受粉」ですね。本命は他の花との異花受粉で、これはあくまで最後の「保険」。あれこれ考えて、ツユクサも必死のようです。