惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

露草

2011-07-27 21:07:34 | 草花
 朝、小雨が降ったので少し涼しいかなと思っていたのですが、午後から夜にかけて蒸し暑さが増してきました。やっぱり夏だ。

Tsuyukusa1107 今日のステレオグラムはツユクサ。ツユクサ科の一年草。夏の朝の花ですね。

 花びらは3枚。上の2枚は大きくて青い。下の1枚は小さくて白い色をしています。

 問題はオシベ。
 黄色い小さな花のようなのが3つありますが、これがオシベです。ただし派手なだけで花粉をつけない「お飾り」です。虫を誘う役目を担っているとのこと。
 それより少し先に、黄色と茶色が混じったようなものがありますが、これもオシベ。やはり葯(花粉袋)ばかりが目立ちますが、ほとんど花粉はつけません。虫を誘う係の「補欠」といったところでしょうか。

 そのさらに先に、先端がくるくる巻きになった3本の器官があります。この中央がメシベで、両側の2本がいわば「本命のオシベ」。きちんと花粉をつけ、子孫を残す任務を果たします。

 つまり、ツユクサのオシベは6本あり、きちんと花粉をつけるのは長い2本だけなんですね。「お飾り」は虫の勧誘に徹し、栄養を消費する花粉製作からは手を引いてしまっています。

 実は、ツユクサにはもうひとつ秘策があります。それは3本の「くるくる」。

 この写真はお昼近くになって撮ったので、もう花も終わろうとしているところ。この段階になると、万一、虫の力で受粉できなかった時のことを考え、本物のオシベとメシベをくるくると巻き上げ、自分ちで受粉してしまうのだそうです(つまりこの3本も最初はまっすぐ伸びていたのです)。
 「自家受粉」あるいは「同花受粉」ですね。本命は他の花との異花受粉で、これはあくまで最後の「保険」。あれこれ考えて、ツユクサも必死のようです。