〈日経サイエンス〉5月号の特集は「対話するAI ChatGPT」。
チャット相手になってくれる人工知能の仕組みや特徴を解説してくれています。
しばらく使っていませんが、対話している時は楽しい。嘘も本当もまじえて、いくらでも相手してくれますものね。詳しいことを知りたいところでした。
基本的なこと――ChatGPTは文章を組み立てる際、次に何が来るのが適切かを調べ、つぎつぎと繰り出してくる。目的はあくまでも文章を完成させること。そのためにあらかじめ膨大な言語データを学習している。
学習したデータ量は45テラバイトにのぼると書いてあります。日本語版ウィキペディアすべてのページを合わせても5ギガバイト。その9000倍のデータ量ですね。
ただ学んだだけでなく、どう答えるべきかを人間がレッスンしてあるそうです。知識が豊富なところへ、常識や倫理を与えたというようなものでしょうか。
こうして、豊富な知識と多彩な「発想力」で会話を繰り出してくるわけですが、膨大な量とはいえ、言葉だけから判断しているわけですから、人間が話をする時に、景色や他の人間、歴史の流れなど、多くの材料を参照しながら発言するのとは違ったものにならざるを得ないのでしょう。
ある種の「知性」はあるとしても、それは人間とは違った「知性」であって、人間と競い合うものではないと思います。改良が加えられ、さらに素晴らしいものになるとしても、「人間を凌駕する」という形容は当てはまらないのではないでしょうか。