また妙なのが出てきました。
安倍首相の「『そもそも』には、辞書で念のために調べたら、『基本的』という意味もあるんですよ」という国会での発言がありましたが、それに関連する質問主意書に対し、「首相が自ら辞書を引いて意味を調べたものではない」という答弁を閣議決定したというのです。
整理しておきましょう。
上の総理発言は、4月19日、衆院法務委員会におけるもの。
これに対して、民進党の初鹿明博議員は4月25日に、「『そもそも』の意味として『基本的に』と記載している辞書に関する質問主意書 」を提出、「一.そんな辞書は見つからなかったが、本当に調べたのか? 二.調べたのなら、どの辞書か」と訊ねた。
これに対する、5月12日の政府の答弁は、次のようなものでした――
- 一及び二について
例えば、平成十八年に株式会社三省堂が発行した「大辞林(第三版)」には、「そもそも」について、「(物事の)最初。起こり。どだい。」等と記述され、また、この「どだい」について、「物事の基礎。もとい。基本。」等と記述されていると承知している。
『大辞林』の2つの項目を合体させて、「そもそも」=「基本的に」と強弁しています。
納得しない初鹿議員は、この答弁のあった5月12日当日に「『そもそも』の意味として『基本的に』と記載している辞書に関する再質問主意書」を提出。「つまり、『そもそも』の意味として、直接『基本的に』との記述がある辞書は存在しないということで良いのか」と問いました。
で、今回の答弁なのですが、そもそも、これは再質問に対する答えなのか、それとも、もとの4月25日の質問に対する答えなのか、よくわかりません。
すなおに読めば、最初の答えが的外れで、答えになっていなかったので、今回のものになったと受け取れそうです。
つまり、今度の答弁は、初鹿議員の最初の質問の第一項への答えとなります。
すると、今度は初鹿議員の再質問に対する答えが宙に浮いてしまいますねえ。そんな辞書がないとは、どうしても言いたくないのでしょうか。
こんなやりとりを国会でやってて、いいんですか? 質問主意書を提出したくなります。
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