金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

歴史小説のウソをあげつらう訳ではありませんが・・・

2022年08月04日 | 本と雑誌
 猛暑やコロナ感染拡大の中で、不要不急の外出を控えて、という警告が目立ちますよね。もっとも外出を控えてボーっとしているとそれはそれで精神衛生上好ましくありません。中国の古典(礼記)に「小人閑居して不善をなす」という言葉があるとおり、小人(つまらない人間)は暇を持て余しているとろくなことはしません。
 暇をつぶす手頃な方法は読書でご同輩の中にはや時代小説や歴史小説をこの時期耽読している人も多いと思います。一般に「歴史小説は歴史的事実を元に人物を描き、時代小説は架空の人物を描く」と説明されますが、その線引きはあいまいです。時代小説の代表的作家として藤沢周平をあげ、歴史小説の代表的作家として司馬遼太郎をあげる人がいますが注意が必要です。市井に住む人々の人情物語などを描いた藤沢周平にも新井白石の生涯を描いた「市塵」という歴史小説があります。また司馬遼太郎の小説のあちらこちらに「見てきたようなウソ」があるのもご存じの方は多いと思います。例えば斎藤道三の生涯を描いた「国盗り物語」の中に織田信長に嫁がせる愛娘・濃姫に短刀を渡し、信長がうつけなら刺し殺してこいという場面がありますがこれはまったくの作り事。娯楽のために読む歴史小説ですから、ウソをあげつらう必要はありませんが、ウソが多くの国民に中で歴史になってしまうのは怖いことだと思います。
 私は30年位前は司馬遼太郎のファンで歴史を面白くするウソを楽しんできたのですが、だんだん飽きてきて十数年前からは時代小説であれば中村明彦氏の小説を楽しむようになってきました。中村明彦氏は会津藩の藩祖・保科正之を描いた「名君の碑」など多くの小説があります。もちろん氏の小説にもフィクションはありますが、氏の史論やエッセーを合わせて読んでいくと歴史的事実に向き合おうとする氏の姿勢がわかり、ああ、この作家の話は歴史的事実で裏打ちされているな、と感じます。
 ただここでやっかいなのは「歴史的事実」です。「歴史的事実」は新しい資料の発見などにより書き換えられる宿命を持っています。時間と文献解読力があれば、自分で一次資料に当たるとよいのでしょうが、それは手に余る作業です。そこで私は時々信頼できそうな歴史学者が書いた人物評伝などを読むことにしています。ミネルヴァ書房が出している「ミネルヴァ日本評伝選」などです。娯楽性は低い本ですが、辛抱して読んでいくとだんだん面白くなってきます。
 不要不急の外出自粛要請はまだまだ続きそうですから、少し辛抱のいる読書をするチャンスかもしれませんね。
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「スマートなシニアライフを送る技術」Kindle本出版しました

2022年03月04日 | 本と雑誌
 今日(3月4日)アマゾンKindleで「 スマートなシニアライフを送る技術」という電子本を出版しました。
 ご興味のある方は覗いてみてください。
 デジタル化は少しずつですが確実に私たちの生活を変えていきます。私がこの本を書こうと思った頃、コロナワクチン接種予約をインターネットで取るためにシニアの方の中に苦労された方がいたという話を見聞きしましたが、現在では比較的スムーズにネット予約が進んでいるような気がします。
 また昨今硬貨による預金預け入れについて一部手数料を取る銀行もでてきました。金融機関が硬貨を敬遠する動きを強めるとやがて小売店も硬貨を敬遠し、電子マネーを歓迎する傾向が強まるでしょう。
 色々な面でシニアの方も情報通信技術と関わることが増えてきます。
 スマートなシニアライフを送るためには、情報通信技術を積極的に利用するべき時代になってきました。シニアライフに必要な技術は情報通信技術だけではありません。寿命が伸びるのに合わせて資産の寿命も伸ばす必要も出てきました。一方我々の儲け心を狙って「おいしそうででも本当は危ない話」が持ちかけられるのもネット社会の特徴でしょう。あふれる情報から本当に役に立つ情報を選ぶには金融や健康・医療面でリテラシー(読解力)を身に着ける必要があるでしょう。そんな思いでこの本を書いてみました。

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Kindle本を書く(5)~プロは迷いそうな言葉はひらがなで書く

2021年09月11日 | 本と雑誌
 新しいKindle本を書く材料が揃ってきたので、そろそろ執筆に取りかかろうと考えています。
 本を書く上で気になるのが校正の問題です。書いた後、自分で読み返すのですが、熟語などは最初に間違えて入力してしまうと自分では間違いを発見することが難しく、過去に書いた本でも出版した後で気が付く誤りがありました。
 できるだけ書き間違いを防ぐため私はこれまで2つのことを行ってきました。
 一つは文章はある程度まとめて変換するということです。
 例えば「しょきのもくてきをたっせいする」という文を一括して変換すると「所期の目的を達成する」となるのですが、「しょき」で変換すると「初期」が最初に出てきて「初期の目的を達成する」となってしまう場合があります。この場合の「しょき」は期待しているところのという意味なので所期が正しいのですが。
 二つ目は校正の時に「ワードの読み上げ機能」を使うということです。これはワードの文章を機会音声で読み上げる機能です。自分の眼で黙読するよりも、文章が耳から入ってきますので、文章のつながりやリズムを確認することができます。もっとも所期と初期の同音異義語のチェックはできませんが。
 それに加えて今回は「迷いそうな言葉はひらがなで書く」ことを実践しようと考えています。新書本などを読むとプロの書き手が書いた本はひらがなが多いことに気が付きます。
 例えば「乳をしぼる」は「搾る」が正しく、「絞る」はNGですが、いまでは「しぼる」とひらがなで書くのが一般的だそうです。 
 「時」と「とき」の使い分けも頭をひねる場合があります。「場合」を示す「とき」はひらがなで書くのがルールだそうですが悩ましい場合もありそうです。
 迷った場合はひらがなで書く、漢字を誤用するならひらがなで書くという方針で行ってみたいと思いました。
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Kindle本を書く(4)~OneNoteを使って資料を集積する

2021年09月03日 | 本と雑誌
 本を書くテーマが決まり、スタイルも決まればいよいよ執筆準備に入ります。ここで注意しておきたいことは「大部分の本はパレートの法則に従っている」という現象です。パレートは20世紀前半に活躍したイタリアの経済学者で80:20の法則を提唱しました。これは成果の80%は全体の20%から生み出されているというもので、多くの本の場合は重要なことは2割の部分に書かれているということを意味します。逆にいうと8割の部分は話を分かりやすくするための例示だとか著名な人の意見が紹介されている訳です。
 もちろんこれは本の性質により異なります。例えば紀行記のようなものであれば密度はもっと濃いでしょう。でも全体のボリュームを出すためにには時々膨張剤を入れている本も多いと思います。
 寄り道話やちょっとした脱線が本を親しみやすいものにして、結果として著者の言いたいことが読者に伝わりやすくなると思います。ときには自説に対抗する意見も紹介しながら話を展開していくことも必要でしょう。
 そのためには日頃から心に残る言葉などを書き留めておくことが大切だと思います。
 もっとも書き留めるといっても、スマートフォンが手元にある現代では、パッと写真を撮って保存しておくの簡単です。
 私はスマートフォンのマイクロソフトレンズという無料アプリを使って本のページなどを撮影し、OneNoteに保存するという方法を取っています。
 写真は今度書く本の中の「教養力」の説明にショーペンハウアーの言葉を引用するために該当部分をレンズ⇒OneNoteで取り込んだものです。
 私は教養の一つの力は他者理解力だと考えていますが、単にそう説明するより最初に哲学的人生論を論じたショーペンハウアーの言葉を使って補強するのが良いと考えました。でもこれはある意味膨張剤のようなものです。
 ちなみに本の構想を練りながら私は「紙の本の『レンズ』撮り込み」「Webのクリップ」「新聞記事(電子版)の記事検索」「PDFのダウンロード」などを使って本の章別に資料を集積するようにしています。
 そしてそれらの資料を眺めながら、骨組みの部分と補強材や化粧材の組み合わせを考えています。

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Kindle本を書く(3)~出版サイクルやスタイルを考える

2021年09月03日 | 本と雑誌
 これまでKindle本を書く場合の「テーマを明確にして骨組みを作っていく」という話をしましたが、初めて出版される方は「出版までどのような手順があるのか?」「原稿はワードで書いて良いのか?」「縦書きにするのか?横書きにするのか?」「フォントやフォントサイズはどうする?」といった様々な疑問がわいてくると思います。
 まずKindle本の出版手順については、アマゾンがKDPパブリッシングサイクルで手順を公開していますからそれを読むのが一番良いでしょう。
大きな流れは下記の図のとおりです。
次に考えておくことは「書く本が文章主体か?写真または絵が主体か?」ということです。電子書籍の変換フォーマットには、「リフロー型」と「固定レイアウト型」があります。「固定レイアウト型」は絵本、写真集などで使用されるフォーマットで印刷されるイメージが表示されます。一般的なPDFと同様と考えてよいでしょう。「リフロー型」はコンテンツの大部分が文章で構成される本で使われるフォーマットで、読者の端末の設定に合わせて表示される画面が「リフロー」されます。
 ここでは「リフロー型」のKindle本の作成を説明します。
 「リフロー型」のKindle本の原稿はワードを使って作成するのが簡単で一番良いでしょう。普通に書いていけばまず問題なくKindle本にアップロードすることができます。ポイントはできるだけシンプルにする(例えば飾り文字を使わないなど)ことです。
 フォントやフォントサイズは読み手の設定で変わりますので、使い慣れている標準的なフォントを使うのが良いでしょう。
 決まりはありませんが、見出し1には16pt太字、見出し2には14pt太字、一般文章は12pt位を使うことを薦めている人が多いようです。
 縦書き・横書きの問題については、コンテンツの中にどれだけ数字やアルファベットが含まれるか?で左右されます。
 数字やアルファベットが少ない文章(自分史など)であれば、縦書きの方が良いでしょうし、マニュアル的なものであれば横書きの方が良いと思います。
 もっともブログやSNSにしても横書きですから、書き手としての我々は横書きになれています。今まで私はテーマからして横書きで書いてきましたが、今回書く本は縦書きにしようかな、と考えているところです。
 縦書きの一つのメリットはスマートフォンで読む時に読みやすいという点だと思っています。
 私が今書こうと考えている本はシニアの方がスマートフォンから簡単に読むことができることを目指していますので縦書きにしようと考えている次第です。「簡単に読める」ということにフォーカスすれば、細かい数字や原語の紹介は省略して「読みやすさ」を追求することになります。
 


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