金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

Kindle本を書く(2)~書きたいことを階層化する

2021年09月01日 | 本と雑誌
 前回本を書く上で大切なことは「本を書く目的をはっきりさせる」ことと「書きたいことをまとめてみる」ことだと言いました。
 私は自分の人生を自分流に生きていた人であれば必ず書きたいことはあると考えています。なぜならそのような生き方は幸せな生き方であり、自分が幸せな人生を送ってきたということを家族や友人知人に知らせたいと思うからです。
 立花隆さんは、「人間なにが幸せかといえば、『やりたいことを、やりたいように、やる』という一点に尽きると思っている」(自分史の書き方 講談社)と言っています。
 ただ書きたいことが固まっても、ダラダラと書き進めては読みやすい文章にはなりません。読みやすい文章にするには、ひと固まりの文章ごとに一つのことを論じるなど工夫が必要です。つまり次のステップは「書きたいことを階層化する」ことです。
 階層化というのは「見出し」や「トピック」を箇条書きにすることと考えてよいでしょう。ビジネスで報告書や提案書を書慣れている人なら問題ないでしょう。新書本などを見ると大方の本は2階層でたまに3階層構造の本に出合います。私の新しい本は2階層で構成しようと考えています。
 さて要点を箇条書きにしていく方法ですが、一般的にワードのアウトライン機能を使うことを薦める人が多いと思います。私も4,5千字程度の文章であればアウトラインを使って構想をまとめるのですが、一冊の本の場合はマインドマップを使っています。
 下の図はこれから書く予定の本のアウトラインを整理中(仕掛品)のものですが、全体を俯瞰することで相互関係がはっきりさせ、考慮漏れを防ぐ効果があります。

私が使っているX-mindというマインドマップアプリは、ワードにexportするとトピック(枠の中などの見出し)がそのまま、ワードの見出しになるように設計されています。この機能を使うと本の基本構造を設計することができると思います。
 X-mindは「見出し」をドラッグして簡単に並べ替えることができますから、関係性の強いものを一まとめにするなど編集が容易です。
 
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Kindle本を書く(1)~書きたいことを決める

2021年08月31日 | 本と雑誌
 Kindle本の作り方については多くの解説書が出版されていますが、それらの多くは電子書籍のファイル等技術的な話が中心になっています。技術的な話は重要ですが、MicrosoftのWordで文章を書くことができる人であればまず問題はありません。気になる方は本の作成に関するアマゾンのホームページ(本の作成)
をご覧ください。
 本を書く上で私が大切だと考えていることは、「その本を書く目的をはっきりさせる」ことと「書きたいことをまとめてみる」ことだと考えています。
 「本を書く目的」については前回のブログ「今年2冊目のKindle本を書くことにしました(1)」で書きましたが「時間ができたから本でも書いてみよう」という人がこのブログの読者には多いのではないか?と思います。
 自分の思いや経験を文章で残したいという思いは良いことだと思います。
 一方「本を書いて販売収入を得よう」というような経済的メリットを得ることは非情に困難だと考えておいた方が良いでしょう(年に数万円の収入になることはあると思いますが)。
 Kindle本を出版して「無料キャンペーン」を通じて友人知人に読んで貰う、ということで良いではありませんか? 多額のコストを払って、紙の本を出しても多くの本は贈呈することになった可能性があるのですから。
 さて次に「書きたいこと」について考えてみます。
 大きく分けると「小説」「自分の仕事に関わる専門性がある程度高い本」「自分史」「旅行など趣味に関する本」「その他」になると思います。私は小説を書く才能も意欲もありませんのでこれまで「資産運用を中心とした個人のライフプラン本」「50代を中心とした自分史~書名は『人生という山坂の登り方・降り方』」などの本を書いてきました。
 「書きたいこと」は書く人が決めれば良いことなのですが、ある程度ボリュームのある本を書くことは中々大変なことです。新書本(150ページ~200ページ)の字数は12万字から15万字位です。Kindle本はこれより短いものが多いと思いますが、短すぎると本の値段をつける時に気が引けますからそこそこボリュームがあった方が良いでしょう。標準的なA4の紙に約1200字入りますから12万字というとA4の紙100枚です。中々のボリュームですね。
 どうすれば長い本を書くことができるでしょうか?
 例えば「100名城」などシリーズになっている名所旧跡の旅行記+多少の歴史的考察などを書くというのもボリュームの見当をつけやすいテーマだと思います。100名城全部を一度に書くのは大変であれば、「関東甲信越の名城を訪ねる」などというのも面白いでしょうね。
 要は自分の頭の中に浮かんでくるテーマの中から「これなら相当ボリュームの話を書き切れる」と思うものを選び出すことです。
 
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今年2冊目のKindle本を書くことにしました(1)~本を書く目的

2021年08月30日 | 本と雑誌
 コロナウイルス感染拡大で外出を伴う活動が大幅に制限されていますね。退職したら、「あんなこともしたい」「こんなこともしたい」と考えていた人も無聊をかこっているかもしれませんね。昔、国際的な金融機関が「退職したらやるたいこと」というアンケート調査をに行っ世界的たところ、上位に来たのは「国内旅行」「海外旅行」「スポーツ」「家族(特に孫)と過ごす時間を増やす」「ボランティア活動に参加する」「読書する時間を増やす」「外国語を学ぶ」というのが主なもので、かなり下がって「本を出版する」という項目が上がっていました。これは先進国の間では洋の東西を問わず共通していたと思います。
 やりたいことの上位はコロナのため相当制限されていますから、現在もし同じ調査をすると「本を出版する」がもっと上位に来る可能性があると私は考えています。
 「本を出版したい」と思う人は昔から多かったと思いますが、書店で売れる本を書くということは非常に難しいことです。ですから本を出版したい人は自費出版を行っていたのですが、これは安くても数十万円のお金がかかります。
 ところがアマゾンのKindleのような電子本が発展してきたことで、個人でも簡単に電子本を出版することが可能になりました。
 実際私もこれまで数冊のKindle本を出版しています。Kindle本の出版コストは自分の人件費だけです。従って時間的に余裕がある人にとってコストはゼロと言ってよいでしょう。
 さて今回今年2冊目となるKindle本を書こうと考えた理由は2つあります。一つは「時間的余裕をアウトプット活動に活かそう」と考えたことです。「読書をする」というのは典型的なインプット活動ですが、私はインプット活動の効率を高めるためにはアウトプットするという目標を持った方が良いと考えています。
 我々は昔からアウトプットを前提にインプットを行ってきました。試験で良い成績を上げるため勉強するとか、新商品や新しいビジネスモデルを作るために色々な資料を跋渉するなどという具合に。
 趣味の世界でも「良い俳句を作るために先人の句集を読む」といったことがあると思います。これもアウトプットを前提にしたインプットです。
二つ目は今年3月に出版した「マインドマップとエクセルでライフプランノートを作る~健康で充実した人生を送るために」の続編を書きたくなったということです。
「『マインドマップとエクセル・・』はシニアライフの基本設計の手引書です」と私は位置付けました。つまりマインドマップを使って網羅的に自分の考えをまとめながら、口座情報など重要な情報をエクセルで管理していくという方法について述べてみたのです。
 では続編では何を述べるのでしょうか?
 それは「スマートに生きるためにDXとサブスクを活用する」ということです。このことを私が痛感したのは、春先の高齢者のコロナワクチン接種の予約問題でした。シニア層の中には、パソコンやスマートフォンを駆使してオンラインで簡単に予約を取ることができる人が結構多かったと思いますが、一方オンライン予約が使えずに苦労された方もいると感じました。
 私は前著の中で充実した人生とは納得できる人生で自立していることが重要である、と述べました。
 パソコンやスマートフォンはツールに過ぎませんが、国をあげてのDX(デジタルトランスフォーメーション)の時代になるとオンラインを利用できるかどうかが自立度に与える影響が極めて大きくなってきます。
 またこれから日本では労働人口の減少が進みますから、色々な分野で無人化と人工知能の活用が進むことは間違いありません。それに対応していくにはユーザ側がDXを積極的に取り込む必要があります。
 もう一つの問題は地球温暖化を抑えるための活動です。今年の猛暑や記録的な豪雨の原因が地球温暖化にあることはほぼ間違いなく、地球温暖化ガスの削減はこの星に住むすべての人間の喫緊の課題です。我々シニア世代もできるところから温暖化対策に沿う活動を行っていくべきだ、と私は考えています。
 その一つの答がサブスクリプションの活用です。
 正確にいうと「所有から利用」に切り替えた消費行動で、サブスクリプション(定期購読)やレンタルの活用が該当します。
 私が考えているスマートなシニアとは「デジタルトランスフォーメーションやサブスクリプションを活用して環境に優しい生き方をし、かつ労働人口減少社会の中でも自立性を維持している」ことが必要条件です。
 新しい本ではスマートなシニアライフの実施設計について述べていきたいと考えています。
 これで本を書く目的と主題はこれで定まりました。
 これから「Kindle本を書くために基本設計」に入っていきますので、その工程を次回以降のブログで説明する予定です。
 もしこれから「Kindle本を書こう」と考えている方がいらっしゃれば参考になると思います。

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「『司馬遼太郎』で学ぶ日本史」~数少ないKindle読みホーダイの歴史本

2021年07月05日 | 本と雑誌
 梅雨の最中、コロナウイルス感染も拡大傾向ですから自宅で好きな歴史本でも読んで過ごすのが一番良いでしょう。
 多くの本を安く読むには「図書館で借りる」「ブックオフなどで古本を探す」「アマゾンのKindle Unlimitedで無料の電子本を読む」という方法があります。
 思い立ったらその場で読みたい本が読めるという点で電子本は優れているのですが、残念なことに読みホーダイの中にはあまり歴史本はありません(というか日本語のUnlimited全体があまり充実していません)。
 そんな中でたまたま見つけたのが磯田道史さんが書いた「『司馬遼太郎』で学ぶ日本史」(NHK出版新書)です。
 この本は司馬遼太郎の歴史観を磯田さんが解釈しながら現在に日本の弱みに言及しているものです。この本はコロナウイルス感染問題の2年以上も前に書かれた本ですが、司馬遼太郎が指摘した日本人の弱みはいみじくもコロナ対応で露呈してると思いました。
 それは本の最後の「おわりに」の次の文章です。
「日本型の組織は役割分担を任せると強みを発揮する一方で、誰も守備範囲が決まっていない、想定外と言われるような事態に対してはレーダー機能が弱いこと。また情報を内部に貯め込み、組織外で共有する、未来に向けて動いていく姿勢をなかなかとれないといった、日本人の弱みの部分をその作品中に描き出しています。」
 磯田さんは想定外の事態への対応力が弱い日本人の特性を別の個所で「日本人というのは、前例にとらわれやすい『経路依存性』を持っています。」と分析しています。
 しかし司馬遼太郎は日本人の弱さを指摘しているだけではありません。長所にも言及しています。磯田さんは司馬遼太郎が一番伝えたかったことは「相手の気持ちに溶け込むことができる『共感性』だったと思う」と述べています。
 そして強い共感性を持って人の命を救うことに生涯をささげたのが幕末の医師緒方洪庵だったと磯田さんは述べています。
 今回のコロナウイルス感染問題でも前例主義にとらわれる日本はアメリカやイギリスのような大胆で迅速なワクチン接種対策を展開できませんでした。ここにきて世界各国のワクチン接種が前例化してきたことで日本のワクチン接種もペースが上がりつつあるようですが。
 一方司馬遼太郎が持ち上げた日本人の美質の共感性はどうでしょうか?
 私は休業要請などで資金面の苦労が続いている人への持続化補助金など補助金の交付が遅れているといった話を耳にするたびに、お役所仕事を少し見直して本当に困っている人に迅速に寄り添えないものか?と思います。つまり官における「共感性」が劣化しているのではないか?と感じるのです。
 この辺りアメリカはある意味実に大雑把でコロナ支援金の受給資格のない海外勤務経験者にまで給付金小切手を配布するという有り様でした(もっともその後の管理はしっかりしている可能性がありますから不正受給をしてはいけまん)。困っている人には早く支援金を配るがもし受給資格に該当しない場合などは後日返金を請求する(あるいは返金しない場合は各種の交付金などと相殺する)という弾力的な対応があってよいと思います。
 「想定外の事態への対応力不足」を「共感性」で補ってきた日本において、困っている人に対する「共感性」が劣化すると良いところなしになってしまいますね。
 
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「数字はウソをつかない」(6)~電気自動車は我々が考えるほど偉大なものではない

2021年04月12日 | 本と雑誌
「数字はウソをつかない」Numbers don't lieの著者は「自分は電気自動車推進派でも批判派でもない」と最初に断りを述べてから、電気自動車が決して単純に環境フレンドリーなものではないことを説明していく。
また電気自動車の普及見通しについても立場によって随分開きがあることにも言及している。
 電気自動車関連銘柄を投資対象として考える場合に留意しておくべきことだろう。
 まず普及見通しについて。2010年にドイツ銀行は電気自動車は2020年までに世界の自動車市場で11%のシェアを占めると予想したが、実際には4%に満たないシェアを得ているに過ぎない。
 次に環境問題について。
 電気自動車が二酸化炭素排出量を減らそうとするのであれば、バッテリーは化石燃料で発電された電気で充電してはいけない。しかし現実的には世界の電力の6割は化石燃料で発電されていて風力・太陽光発電の割合は12%に過ぎない。残りは水力発電と原子力発電である。
 発電方法は国により大きくことなるが、インド、中国、ポーランドでは石炭依存度が高いので、電気自動車は圧倒的に石炭自動車なのだ。
 また仮に総ての電気自動車が再生可能エネルギー発電により走らせることができたとしても、ダム、風力発電タービン、太陽光パネルの制作そして自動車本体制作のために鉄やセメントが使われるためそれらの製造工程で温暖化ガスが排出される。また電気自動車は重金属を多く使うので、伝統的な自動車に較べて3倍有害物質を排出する。
 筆者によると電気自動車が環境に本当に優しい乗り物であるかどうかは腰を据えて評価する必要があるということだ。
 欧米や中国などで電気自動車熱が高まる中、ハイブリッドなどで先行した日本が「電気自動車は環境に優しくない」という主張を声高にすると海外勢から批判を浴びる可能性が高い。
 だが海外のしっかりした研究機関等とタイアップして電気自動車が内包する環境リスクには物申すべきなのだろう。
 一つはっきりしていることは「電気自動車であれ伝統的なガソリン・ディーゼル車であれ車に乗らないことが一番エコだ」ということだ。
移動手段を車から自転車に変えると地球温暖化ガスが減るとともに健康促進につながるから一石二鳥である。余談になってしまったが。
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