金融業務とアルピニズム 北の旅人の持論
金融業務の本質はアルピニズムと良く似ている。金融機関の本質はリスクと対峙することで収益を上げることであり、金融機関の成功を左右するのは、リスクを十分織り込んだプライシングと十分織り込んでいないプライシングを見分けることである。(ドミニク・カスレー 『リスクへの挑戦』)
アルピニズム即ち「より高くより困難を求めるスポーツ登山」の本質もまた適切にリスクと対峙することでより大きな喜びを得ることにある。高所登山や積雪期登山には急峻な岩場、氷雪の障壁、急激な気象の変化、雪崩等の危険が伴う。しかしそれらを乗り切り高みを極める喜びは何にも増して大きい。
ところで登山の危険には絶対的危険と相対的危険がある。絶対的危険とは、雪崩・落雷等今の人の力を持って防ぐことのできない自然の猛威である。この絶対的危険に人は挑むことができない。この危険はただ避けるしかない。(もっとも絶対的危険と相対的危険の境界は絶対的なものではなく、科学技術の進歩により動くものである)一方急峻な岩場は、経験の浅い登山者には極めて危険な場所であるが、訓練を積み十分な安全策を講じた経験ある登山者にとってはそれ程危険な場所ではないと言えるだろう。これを相対的危険と呼ぼう。相対的危険度を減じ、リスクを楽しみに変えるものは、状況を客観的に把握する力・禁欲さ・勇気・体力・知識・技術・経験・パートナーシップなどであろう。それらの能力は一日にして備わるものではない。ステップ・バイ・ステップで少しずつ高いリスクに挑戦することで少しずつ獲得されるものである。背伸びは稀に成功することがあるにしても、大抵は大変高い授業料を求められるものだ。
目を金融業務に戻してみよう。世界中でどれだけ多くの金融機関が、リスクを見極め管理することなく収益追及に走り苦い経験を積んだことか。金融業務で成功するための能力も私はアルピニズムの能力と共通すると考えている。
即ち「市場を深く分析する」見識と洞察力そしてそれを支える金融技術、リスクに見合わないリターンを避ける禁欲さ、世の風潮に逆らって信念を貫く勇気、ハードワークに耐える体力、高い専門性を持った知的集団によるパートナーシップ等が金融と言う高山に挑むため必要な徳性である。
金融業務の本質はアルピニズムと良く似ている。金融機関の本質はリスクと対峙することで収益を上げることであり、金融機関の成功を左右するのは、リスクを十分織り込んだプライシングと十分織り込んでいないプライシングを見分けることである。(ドミニク・カスレー 『リスクへの挑戦』)
アルピニズム即ち「より高くより困難を求めるスポーツ登山」の本質もまた適切にリスクと対峙することでより大きな喜びを得ることにある。高所登山や積雪期登山には急峻な岩場、氷雪の障壁、急激な気象の変化、雪崩等の危険が伴う。しかしそれらを乗り切り高みを極める喜びは何にも増して大きい。
ところで登山の危険には絶対的危険と相対的危険がある。絶対的危険とは、雪崩・落雷等今の人の力を持って防ぐことのできない自然の猛威である。この絶対的危険に人は挑むことができない。この危険はただ避けるしかない。(もっとも絶対的危険と相対的危険の境界は絶対的なものではなく、科学技術の進歩により動くものである)一方急峻な岩場は、経験の浅い登山者には極めて危険な場所であるが、訓練を積み十分な安全策を講じた経験ある登山者にとってはそれ程危険な場所ではないと言えるだろう。これを相対的危険と呼ぼう。相対的危険度を減じ、リスクを楽しみに変えるものは、状況を客観的に把握する力・禁欲さ・勇気・体力・知識・技術・経験・パートナーシップなどであろう。それらの能力は一日にして備わるものではない。ステップ・バイ・ステップで少しずつ高いリスクに挑戦することで少しずつ獲得されるものである。背伸びは稀に成功することがあるにしても、大抵は大変高い授業料を求められるものだ。
目を金融業務に戻してみよう。世界中でどれだけ多くの金融機関が、リスクを見極め管理することなく収益追及に走り苦い経験を積んだことか。金融業務で成功するための能力も私はアルピニズムの能力と共通すると考えている。
即ち「市場を深く分析する」見識と洞察力そしてそれを支える金融技術、リスクに見合わないリターンを避ける禁欲さ、世の風潮に逆らって信念を貫く勇気、ハードワークに耐える体力、高い専門性を持った知的集団によるパートナーシップ等が金融と言う高山に挑むため必要な徳性である。