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2005年1月12日(水曜日)の日経新聞に「日本版401K
非課税拠出枠を拡大」という観測記事が出ていた。
もともと日経新聞は確定拠出年金(日本版401K)の導入に熱心だった。
どうして日経は確定拠出年金の導入に熱心なのか?
それは「
アメリカの制度をむやみに理想化して読者を煽る」傾向があるからだと東谷 暁氏は近著「
日経新聞は信用できるか」の中で語る。
同書から401Kに関する文章を引用しよう。
~日本の企業年金が無防備にも高い運用利率を設定して崩壊の極みにあるからといって、運用において株式に傾斜しがちな401Kなどの「確定拠出型年金」の仕組みは、株価が上昇する局面はよくても、下落する時期に遭遇する場合には老後資金のかなりを喪失してしまいかねない~
もっとも現在の日本の確定拠出年金で起きている問題は上記の例とは逆のケースが多い。
つまり加入者が株式投資のリスクを敬遠して、預金等の安全資産を選択するためこのままでは「確定拠出年金移行時に想定した資産運用リターン」に到底届かないということが今後大きな問題になってくると思われる。
いずれにしろ加入者が「適切なリスク」を取ることは401Kの先進国である米国でも難しい様だ。
添付ファイルではこれに関する海外紙の記事を紹介した。
ところで天下の日経新聞の編集委員ともなれば当該記事を含み401Kのマイナス面に関する情報は当然沢山持っているはずだ。
しかしもし日経が401Kの拡大に力を入れる余り、その問題点に関する情報を読者に十分提供していないとすれば、
「公器」としての機能を果たしていないと言わざるをえないことになる。
日経新聞の記事は慎重に読む必要があるかもしれないという一例でもある。
以上