29 *(別れていく女は)
女と別れて、海を思い出している。「ふたりが向うへおしやつた海」とあるから、ふたりはいさかいをして、海へ来たことさえ忘れていたのだろう。
しかし、いまは、その「見なかった海」が思い出される。
海を見なかったように、女をも見てはいなかった。
後悔は、嵯峨のこころのなかに「沈んでいる」。
「広い」には、嵯峨の思いがこもっている。海のようなこころの広さがあれば、と。「広い」は「広げる」という動詞に変わりたがっている。
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評論『ことばと沈黙、沈黙と音楽』を発行しました。190ページ。
谷川俊太郎の『聴くと聞こえる』についての批評をまとめたものです。
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横臥したふたりが向うへおしやつた海
なに一つまだ沈んでいない広い海
女と別れて、海を思い出している。「ふたりが向うへおしやつた海」とあるから、ふたりはいさかいをして、海へ来たことさえ忘れていたのだろう。
しかし、いまは、その「見なかった海」が思い出される。
海を見なかったように、女をも見てはいなかった。
後悔は、嵯峨のこころのなかに「沈んでいる」。
「広い」には、嵯峨の思いがこもっている。海のようなこころの広さがあれば、と。「広い」は「広げる」という動詞に変わりたがっている。
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嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で詩を書いています。
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(3)評論『天皇の悲鳴』72ページ。1000円(送料250円)
2016年の「象徴としての務め」メッセージにこめられた天皇の真意と、安倍政権の攻防を描く。
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