3 五月 レヴァディア
「恋の」と言ったあと、「発情の」と言いなおしている。「青い突起」が発情ということばを誘っている。高橋が発情したのだ。
恋をしなくても、発情する。それを、高橋はこう言いなおしている。
セックスは常に神とするもの。セックスをすることで神と一体になる。神になる。「我」は消えてしまう。つぎつぎに新しいセックス。そのなかで人間は甦る。神になる。
「神神がてんでに発情する」の「てんで」が豪快だ。
神は恋など気にしない。発情したあと、セックスしたあと、恋の問題は考えればいい。肉体の自然にまかせて動く。それがギリシアだ。
恋をあとまわしにするから悲劇も生まれる。こころはいつでも遅れてやってくる。
裏庭からまっすぐ続く山腹にかけて 群れ立つ松の木
その針の派のひまに つんつんと立つ青い突起
いまは五月 ギリシアの野山の 恋の 発情の季節
「恋の」と言ったあと、「発情の」と言いなおしている。「青い突起」が発情ということばを誘っている。高橋が発情したのだ。
恋をしなくても、発情する。それを、高橋はこう言いなおしている。
青臭い万の生殖器を通して 神神がてんでに発情する時
ギリシアの神神は発情する神神 夏がめぐるごとに
神神は甦る ギリシアはいきいきとギリシアになる
セックスは常に神とするもの。セックスをすることで神と一体になる。神になる。「我」は消えてしまう。つぎつぎに新しいセックス。そのなかで人間は甦る。神になる。
「神神がてんでに発情する」の「てんで」が豪快だ。
神は恋など気にしない。発情したあと、セックスしたあと、恋の問題は考えればいい。肉体の自然にまかせて動く。それがギリシアだ。
恋をあとまわしにするから悲劇も生まれる。こころはいつでも遅れてやってくる。
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