安倍の「宣伝」作戦
自民党憲法改正草案を読む/番外150(情報の読み方)
2017年11月19日の読売新聞(西部版・14版)の1面の見出しと、記事のポイント。
これを読むと、労働者の給料が3%増えるのは確実という印象があるが。
どうなのだろう。
法人税優遇措置の例として、「研究開発減税は15年度、1万2287件活用され、適用額は6158億円に上った。自動車大手や化学品メーカーなど大企業の利用が多い」という記事も見える。3%賃上げしなかったら、企業からの「納税」が6158億円増えるということか。これは具体的でとてもよくわかる。
しかし、「3%以上の賃上げを行う大企業を対象とした法人税の減税」には試算がない。どれくらい「減税」になる? これがわからない。
そしてもっと肝心なのは、大企業の「減税」による国庫収入の穴埋めをどうするかが書かれていない。国には「予算」が必要。大企業に対して「減税」すれば、その穴埋めをどこかでしなければならない。
どこでする?
書かれていない部分に注目しよう。
給料が3%上がる。その結果、労働者の所得税、住民税は? 税金がいまのまま据え置かれ、給料だけが3%上がるなら、「可処分所得」は増える。つかえるお金は増える。しかし、税金が上がり、連動して物価が上がる(デフレを脱却し、インフレになる)ということなら、労働者の実質賃金の「上昇」はいったいどれだけあるのだろう。
また消費に回された金額がそのまま「中小企業(たとえば飲食店)」の増収になるというわけではないだろう。中小企業の「増収」に対しては「増税」がある。実質的な収入はどれだけ増えるのか。
こういうことを「具体的」に資料として書かないと、この「政府・与党案」が労働者や中小企業にとっていいことなのかどうか、わからない。労働者、中小企業の「可処分所得」がかわらない、あるいは逆に減ってしまうということもあるだろう。
「大企業」は安倍と通じている。直接、寿司を食い、酒を飲みながら「談判」ができる。でも労働者は安倍とは直接対話ができない。だから、実際問題として、「3%賃上げ」がどれくらい「家計収入」になるのかわからない。また税金が、どこにつかわれるのかもよくわからない。大企業の「減税」分を穴埋めするだけではなく、さらに軍需費につぎこまれる、ということもある。
「大企業の減税総額」と、「労働者、中小企業の増税総額」の比較表が必要である。きっと、発言力のない「労働者、中小企業の増税総額」の方が「大企業の減税総額」を上回るはずである。そうでないと、国の予算が破綻する。
安倍に対して直接発言することのできない労働者を「3%の賃上げ」という餌で沈黙させておいて、税負担を国民におしつけるのが今回の方法だろう。
大企業の収益は計算が簡単だろう。労働者全員の収益は計算が簡単ではない。中小企業への影響がどれくらいなるかは、もっと計算が複雑だろう。そういうことを「利用」して、いかにも「大企業」に負担を強いている、「大企業」に身を切らせているというような「情報の意味づけ(展開)」は信じられない。
労働者、国民ひとりひとりの「負担」はどうなるのか。そのことを克明に分析する必要がある。そういう「記事(情報)」を読みたい。
「労働者の味方」みたいな記事は、注意して読む必要がある。特にそれが「政府・与党案」なら、なおのこと注意しなければならない。
追加になるが。
こういうことを明確にするために、国会の「質疑」がある。当然、そこでは野党からの「質問」が中心になる。野党が質問し、政府(与党)が答える。その形で「発言時間」は「1対1」になる。与党の質問時間がゼロ、野党が質問時間の全部をつかうことで、やっと「1対1」になる。
国会の質問時間の配分が与党に少ないと、与党の若手議員の質問時間(発言時間)がない、ということが自民党内で問題になったらしいが、それは自民党内部の問題であって、「国会」の問題ではない。自分の発言時間がないなら、発言時間がたくさん獲得できるよう「首相」を目指せばいいだけである。そんなことで野党の「応援」を仰ぐというのは、もう政治家失格である。自民党内で内部闘争をしっかりやればいいだけである。
#安倍を許さない #安倍独裁 #沈黙作戦 #憲法改正 #天皇生前退位
自民党憲法改正草案を読む/番外150(情報の読み方)
2017年11月19日の読売新聞(西部版・14版)の1面の見出しと、記事のポイント。
賃上げ不足 税優遇停止/内部保留活用迫る/政府・与党調整/大企業に「アメとムチ」
政府は、特定の条件を満たした大企業に適用している法人税優遇措置について、賃上げや設備投資拡大が不十分な場合に停止し、実質的に増税する方向で与党と調整に入った。企業が稼いだ利益の蓄積にあたる内部留保を賃上げや設備投資に回すよう、大企業に「圧力」をかける異例の税制となる見通しだ。
政府は経済界に来年の春闘で3%以上の賃上げを要請した。その呼び水として、3%以上の賃上げを行う大企業を対象とした法人税の減税も検討している。
これを読むと、労働者の給料が3%増えるのは確実という印象があるが。
どうなのだろう。
法人税優遇措置の例として、「研究開発減税は15年度、1万2287件活用され、適用額は6158億円に上った。自動車大手や化学品メーカーなど大企業の利用が多い」という記事も見える。3%賃上げしなかったら、企業からの「納税」が6158億円増えるということか。これは具体的でとてもよくわかる。
しかし、「3%以上の賃上げを行う大企業を対象とした法人税の減税」には試算がない。どれくらい「減税」になる? これがわからない。
そしてもっと肝心なのは、大企業の「減税」による国庫収入の穴埋めをどうするかが書かれていない。国には「予算」が必要。大企業に対して「減税」すれば、その穴埋めをどこかでしなければならない。
どこでする?
書かれていない部分に注目しよう。
給料が3%上がる。その結果、労働者の所得税、住民税は? 税金がいまのまま据え置かれ、給料だけが3%上がるなら、「可処分所得」は増える。つかえるお金は増える。しかし、税金が上がり、連動して物価が上がる(デフレを脱却し、インフレになる)ということなら、労働者の実質賃金の「上昇」はいったいどれだけあるのだろう。
また消費に回された金額がそのまま「中小企業(たとえば飲食店)」の増収になるというわけではないだろう。中小企業の「増収」に対しては「増税」がある。実質的な収入はどれだけ増えるのか。
こういうことを「具体的」に資料として書かないと、この「政府・与党案」が労働者や中小企業にとっていいことなのかどうか、わからない。労働者、中小企業の「可処分所得」がかわらない、あるいは逆に減ってしまうということもあるだろう。
「大企業」は安倍と通じている。直接、寿司を食い、酒を飲みながら「談判」ができる。でも労働者は安倍とは直接対話ができない。だから、実際問題として、「3%賃上げ」がどれくらい「家計収入」になるのかわからない。また税金が、どこにつかわれるのかもよくわからない。大企業の「減税」分を穴埋めするだけではなく、さらに軍需費につぎこまれる、ということもある。
「大企業の減税総額」と、「労働者、中小企業の増税総額」の比較表が必要である。きっと、発言力のない「労働者、中小企業の増税総額」の方が「大企業の減税総額」を上回るはずである。そうでないと、国の予算が破綻する。
安倍に対して直接発言することのできない労働者を「3%の賃上げ」という餌で沈黙させておいて、税負担を国民におしつけるのが今回の方法だろう。
大企業の収益は計算が簡単だろう。労働者全員の収益は計算が簡単ではない。中小企業への影響がどれくらいなるかは、もっと計算が複雑だろう。そういうことを「利用」して、いかにも「大企業」に負担を強いている、「大企業」に身を切らせているというような「情報の意味づけ(展開)」は信じられない。
労働者、国民ひとりひとりの「負担」はどうなるのか。そのことを克明に分析する必要がある。そういう「記事(情報)」を読みたい。
「労働者の味方」みたいな記事は、注意して読む必要がある。特にそれが「政府・与党案」なら、なおのこと注意しなければならない。
追加になるが。
こういうことを明確にするために、国会の「質疑」がある。当然、そこでは野党からの「質問」が中心になる。野党が質問し、政府(与党)が答える。その形で「発言時間」は「1対1」になる。与党の質問時間がゼロ、野党が質問時間の全部をつかうことで、やっと「1対1」になる。
国会の質問時間の配分が与党に少ないと、与党の若手議員の質問時間(発言時間)がない、ということが自民党内で問題になったらしいが、それは自民党内部の問題であって、「国会」の問題ではない。自分の発言時間がないなら、発言時間がたくさん獲得できるよう「首相」を目指せばいいだけである。そんなことで野党の「応援」を仰ぐというのは、もう政治家失格である。自民党内で内部闘争をしっかりやればいいだけである。
#安倍を許さない #安倍独裁 #沈黙作戦 #憲法改正 #天皇生前退位
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