現代韓国人の生活の中で、よく使われる一般的な韓国語で
ありながらも、それを日本語で言い表すことが難しい単語が
いろいろとある。
韓国語と日本語では、言葉の背景にある生活習慣や文化が
違うのだから当然と言えば当然のことだ。
例えば、韓国語で言う「큰절」。
直訳すれば「大きな礼」、あるいは「大きなお辞儀」くらいに
なるだろうか。
立ったままではなく、ひざまずいて行う礼(お辞儀)のことで、
「ヲタク」などから見ると、実に時代がかったもののように
見えてしまう。
儒教的な伝統から来ている礼(お辞儀)のやり方と見ていいが、
儒教の本家である中国でも、現在、こうした礼(お辞儀)を親子や
親族の間などで一般的に行うことはないので、「儒教的」と言う
よりは、むしろ、「韓国的」な礼(お辞儀)の作法と言った方が
よいのかもしれない。
ところで、この「큰절」を一般の韓日辞典はどう訳しているのか。
△ネイバー韓日辞典(東亜プライム辞典)
ネイバー韓日辞典では、簡潔な表現で対応する日本語がない
ので、簡単な説明でお茶を濁すような記述になっている。
しかも、行為者を女性に限るなど、少なくとも現状とは異なった
不適切な内容になっている。
つくづく辞典には注意が必要だ。
一方、さすがに韓国語辞典では、現状に則した正確な説明が
してある。
△ネイバー韓国語辞典(国立国語院標準国語大辞典)
さて、問題は、この「큰절」をどう簡潔な日本語で表現するか、
ということだ。
読者の皆さんなら、どういう日本語表現を使われるだろう?
韓国メディアのある記事を題材に、是非、いっしょに考えて見て
ほしいものだ。
△「オレはイヤだね」
結論を言えば、今回、「ヲタク」は、見出しでは「お辞儀」を使い、
記事の文中では、「座礼」という表現を使ってみた。
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■큰절 올리는 한나라당
ハンナラ党、ひざまずいて感謝のお辞儀
(CBSノーカットニュース 7月28日)
7.28 재보궐 선거에서 민주당에 압승을 거둔 한나라당
안상수 대표와 당직자들이 28일 저녁 여의도 당사에서
국민들에게 감사의 뜻으로 큰절을 올리고 있다.
7月28日実施された国会議員補欠選挙で、(8議席中5議席を
獲得し)民主党に圧勝したハンナラ党のアン・サンス代表ら
執行部が28日夜、ヨイドの党本部で、国民に対する感謝の
気持ちを込め、伝統的な座礼をしている。
△「ヲタクさん・・・、今日、子どもたちの
ために一生懸命、キャベツを千切りにしてましたね・・・」
「私、泣いちゃいました・・・。どうして
そこまでひたむきになれるんですか?」
△「コイツは今日、菜園のいたいけない
虫たちを憎憎しげに足で踏みつぶしていた・・・」
「あれは、妻の長期里帰りに対して
こみ上げてくるイライラを、何の罪もない
虫たちにぶつけていたとしか考えられない」
「なんて小さな男なんだ・・・」
△「え?この前髪は・・・、
ヲタクさんッ!またグラサンかけて
カラオケですか?」
「最高です・・・」
(終わり)
参加カテゴリ:地域情報(アジア)