〈遊歩人〉6月号の書評にも書きましたが、新城カズマさんの『ライトノベル「超」入門』(ソフトバンク新書)を読んで、私なりにライトノベルの捉え方が出来るようになったと感じました。
ひとことでいえば――ライトノベルはマンガやアニメ風のキャラクターが動き回っている小説――こんなふうにくくれるのではないでしょうか。
ライトノベルでは、書き手も、読み手も、脳裏にマンガやアニメのような登場人物や舞台などを想像しているのだと思います。従来の小説が、実際の人物やお芝居の人物や実写映画の人物やそれまでの小説の中の人物などが動いていたのと、その点で違っているようです。
良い・悪いの問題ではなく、フィクションの楽しみ方の基盤が変化してきたために、こういう小説が登場してきただけのことでしょう。しかしながら、従来の小説との間には重大な差異が存在しています。
そのあたりを指摘してくださった新城さんの著書は、ライトなタッチで書かれているとはいえ、なかなかの名著だと思いました。
で、私なりの感想では、今度の映画『日本沈没』はライトノベルっぽいんだな。そのあたりが賛否両論を呼びそう。