午後3時50分から東宝シネマズ府中にて中島哲也監督『嫌われ松子の一生』。
早く時間を作って観たいと思っていたのが、今日になってやっと。期待に違わぬ――いや、期待を大いに上まわる素晴らしさでした。
中島監督の第1作『下妻物語』はテレビでしか観ていないのですが(いずれ劇場かビデオで観なおしたい)、なんといっても映像に驚き、圧倒されました。映画の画面を観てこんなにわくわくしたのは鈴木清順監督作品に遭遇して以来のこと。アイデアに溢れ、意外性に富み、メリハリが効いていて……とにかく「開いた口がふさがらない」という状態にさせられる。
50年に1人出るか出ないかという天才だと思ったので、新作の『嫌われ松子の一生』も早く観たかったのです。
どこまで原作に忠実で、どこからが監督のオリジナルなのか、小説を読んでいないのでわからないのですが、今回のストーリーも素晴らしい。ヤクザになったヨウイチと松子が再会するシーンなんか「ズ、ズル過ぎる……」と唸ったほどでした。もちろん、うまさに嫉妬したのです。
たくさん笑って、それ以上にたくさん泣きました。中年のオヤジが映画を観てボロボロ涙を流している姿なんて、この上なくカッコ悪いのですが、カッコのことなんかいってられずに、涙を流し、手の甲やハンカチで拭っておりました。
びっくりしたのはバーズアイの矢野健夫くん(森下とは小学校で同級)のモーターパラグライダーの映像が使われていたこと。
そういえば、映画の舞台である荒川は矢野くんのホームグラウンドだものなあ。荒川の魅力を出すには、もってこいの絵でした。
こんな傑作に参加できた矢野くんがうらやましい。
あ、いうまでもないことですが、この映画はミュージカル。女子刑務所での歌と踊りが見事。ボニーピンクも木村カエラも良かったよ~。
日本のミュージカル映画のトップに躍り出たね。