惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

柴野拓美さんを偲ぶ会

2010-09-19 20:39:41 | SF
 昨日は目黒区大岡山の東京工業大学蔵前会館にて「柴野拓美さんを偲ぶ会」。東京工業大学は柴野さんの母校であり、またかつてこの近所に柴野さんのお宅があり、〈宇宙塵〉例会が行われていたという由緒深い地での開催です。

 会は1部と2部にわかれ、1部は柴野さんの業績を偲ぶシンポジウム。

  • パネル(1)「SF翻訳家・小隅黎さんについて」
    パネラー:鍛治靖子、酒井昭伸、高橋良平
    司会:牧眞司
    Shibano1009
  • パネル(2)「ファン活動の先達としての柴野さんの足跡」(写真)
    パネラー:池田憲章、関口芳昭、森優、山岡謙
    司会:井上博明
 翻訳の先生としての柴野さんは大変に厳しい方であったそうな。酒井さんの提出した訳を、添削なしにそのまま返してくる。「要するに0点ということなんですね」と酒井さんはおっしゃっていたように思います。「お金をもらうのですから、きちんと」と鍛治さんにはおっしゃったとか。

 パネル(2)はさまざまな世代の人たちが語る柴野さん。パネラーの他に、難波弘之さんがビデオ出演されて、中学1年生の難波さんが〈宇宙塵〉に入会された当時のエピソードを語られたのが大層おもしろかった。柴野さんは難波さんのお母さんに「SFに夢中になると成績が下がりますよ」などと言ったそうです。

 第2部は立食パーティー形式の懇談会。さまざまな人が柴田さんの思い出を語られました。

 柴野さんがいなければ、SF大会はこんな形では続かなかったでしょうし、オタクは誕生しなかった。
 SFへのぶれない姿勢を貫かれた柴野さんのおかげで、今日の日本文化はあると思います。柴野さん、ありがとうございました。