かかってきました。
お昼前のこと。電話が鳴ったので、「はい、森下です」と出ると、「いま、ちょっといいかなあ」と馴れ馴れしい口調の男の声。聞きとりやすい、わりと良い声です。
この時点では、なんのことだかわからず、「は? どちらさまで?」と聞き返すと、「カツヤだけど、ちょっと……」。
ここらへんでピンと来ました――オレオレ詐欺だ!
いちど遭遇したかったんですよねえ。どんな感じなのか、体験してみたくて。
すぐに切ってもよかったんだけど、なんかもったいない気がして、もう少し引っ張ってみました。
「カツヤさんですかぁ。カツヤ、カツヤ……ねえ」と、記憶を探るふうに言ってみると、「そう、カツヤだよ」と応じてきます。思い出すのを待っているみたいです。
これ以上、からかうのも気味が悪いかなと思い、「カツヤさんには思い当たる人がいませんねぇ。かけ直してみてください」と言って切りました。相手にとっては、ハズレだったわけですが、もし当たりだったら、この後、どう展開してゆくのでしょうか。
しばらく経ってパソコンを眺めていると、ツイッターで市の広報が警戒を呼び掛けていました。
- オレオレ詐欺入電中!!
- 本日、調布市内に孫をかたるオレオレ詐欺と思われる者からウソの電話が入っています。
- ■電話の内容
- ・オレだけど、今病院にいる。
- ・「としお」だよ。
- ・携帯電話の入ったかばんを病院で盗まれた。
- ・携帯電話に電話しても、出られない。
- ・こっちから、また電話する。
- ■この後、犯人は、金銭を求める電話をかけてきます。
とのこと。
「としお」じゃなかったなぁ。別の「担当者」もいたのでしょうか。
不審な電話があればすぐ110番しろとのことでしたが、すべきだったか。今度かかってきたら、そうするかな。