昨夜の首相のハッシュツ(発出)を受けて、街はいっそう閑散としてきました。
夕方、健康維持のため駅前近辺までウォーキング。
2軒のデパートは今日から当面の間、休業となっています。
ただし食料品売り場は時間を短縮して営業中。
あたりの店も、休業していたり、営業時間を短縮していたり。真光書店は午前10時から午後5時までの営業となっていました。
営業中の飲食店でもテイクアウト中心の商売のようで、席についている人はほとんどいません。
「当面の間」がいつまでになるのか。できるだけ早く、平常に戻って欲しいものです。
ところで、昨夜の「緊急事態宣言発出」。
「発出」とは聞きなれない言葉で、手元の『広辞苑』には――
- 発し出すこと。あらわすこと。
とあり、Webでみた『三省堂大辞林第三版』には――
- はっ しゅつ [0] 【発出】( 名 ) スル
- ① 起こること。あらわし出すこと。 「勢力を-することは/西国立志編 正直」
- ② 遣わし出すこと。出発すること。 「早々-して地府に滞らしむる事なかれ/読本・英草紙」
とあります。
私はこれまで見聞きしたことがありませんでした。報道でも、「発出」をそのまま使うところは見当たらず、「発令」あるいは「出す」と言い換えています。普通、使わないですよねぇ。
なぜ、突然、こんな言葉が出てきたのか。
もしかすると、お役所ではけっこう使っているのかもしれません。
たとえば人事院の法令や通知を公示するサイトでは、規則や指令を追加したり、改訂したりする指令・公示・通知について「発出等されたときに、その概要を、発出等の日からおおむね1年間掲載」するとあります。
「発令」だと法令などに関するものになり、強すぎるということなのでしょうか。
そもそも「緊急事態宣言」の「宣言」という言葉じたいに、「表明」とか「発表」とかいった意味合いがあるので、「宣言を発出する」というのは、同じことを重ねているといってもいいでしょう。
単に「緊急事態を宣言する」で良いわけですが、今回の宣言は「改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言」という特殊なものなので、これ全体をひとつの名称として扱い、「宣言」を宣言することになったのではないでしょうか。
でも、いくらなんでも同じ言葉を重ねるのはサマにならないだろう、ということで「発出」という言葉を引っぱりだしてきたのではないか。このように愚考いたしました。