早朝に降り始めた雨は午後になってあがりました。
郵便局に用があって家を出て、少し離れたところにある息子の家の前を通りかかると、小学2年の孫と同じような年恰好の子が、息子宅の前に立っていました。
明らかに用がある様子で、玄関を見つめたり、二階の窓を見上げたり。玄関に近寄ろうとしては、ためらい、少し後ずさったり。
一度は通り過ぎたのですが、気になって引き返し、声をかけました。
「○○(孫の名)にご用があるの?」
「(小さくうなずいて)遊ぶの」
「わたしは○○のおじいちゃんだから、呼んであげるね」
ということで、インターホンを鳴らし、可愛いお客さんが来ていることを告げました。
孫が出てきて、無事、二人は遊びはじめられたようです。すぐに立ち去ったのでくわしい様子はわかりませんでしたが。
よそのお家を訪ねたものの、なかなか声がかけられなかった経験が、私にもあったような気がします。
気おくれするというか、声が出せなくなってしまう。
いつの間にかそんなことはなくなって、平気でずんずん呼びかけられるようになりましたが、どこかに今でも、昔の戸惑いというか、逡巡する気持ちが残っているような気もするのです。
なつかしく、たいせつにしたい記憶。