朝日新聞の投書欄「男のひといき」でなつかしいお名前に遭遇しました。
権田萬治さん。
ミステリー評論家というべきでしょうか。もっと広く文芸評論家でもいいのかな。私どもの大先輩。
何度かお目にかかったことがあります。確か、競馬場でも石川喬司さんの紹介で。
投書は「妻のマグカップ」というタイトルで、昨年夏、コロナのため奥様とあわただしく永別をなさったこと。今は、2人で入った介護施設にひとりで暮らし、朝にはお揃いで買ったマグカップの奥様用のぶんで濃い緑茶を飲んでいるという内容。淡々と書かれていますが、さみしさがひしひしとつたわってきます。
ネットを検索してみると、権田さんのブログがありました――「権田萬治の〈本の虫〉日記」。
2017年の1月6日が今のところ最後の更新ですが、転居のため本の整理をなさって難儀された記事が多い。
「読書人の終活」という項には、「皆さんのためにあえて申し上げる。本の整理、処分は60代で済ませてください」という忠告もあります。
そうなんですよねぇ。いずれ整理するつもりがあるのなら、体力気力のあるうちに取りかからないといけないんですよねぇ。
とはいえ、減らずに増えつづけるのが蔵書の宿命。
いやいや、そんなことはいっていられない年齢になってきてはいるのですが……。