昨夜は港区元赤坂の明治記念館で「第6回アガサ・クリスティー賞/第4回ハヤカワSFコンテスト」贈賞式。
今回はどちらの賞とも大賞はなく、クリスティー賞優秀賞に春坂咲月さんの『花を追え――仕立屋・琥珀と着物の迷宮』、SFコンテスト優秀賞に、黒石迩守(にかみ)さんの『ヒュレーの海』と、吉田エンさんの『世界の終わりの壁際で』、同・特別賞に草野原々(げんげん)さんの『最後にして最初のアイドル』が選ばれました。
贈賞式に先立って行われた記念座談会は「作家デビューのさまざまなかたち」と題して、クリスティー賞でデビューした森晶麿さん、SFコンテスト大賞でデビューした柴田勝家さん、電子書籍のセルフパプリッシングでデビューした藤井太洋さん、編集部持ち込みでデビューした吉上亮さんの4人がデビューのいきさつや、その良否について語りました。司会は早川書房の塩澤快浩編集長。
写真はハヤカワSFコンテスト受賞の3人。
左から、優秀賞の黒石さん、吉田さん、特別賞の草野さん。
選考過程について報告した小川一水さんは、「特別賞の『最後にして……』は評価が割れたが、あらゆるものを破壊してゆくという点でまさしくSF。何か賞をさしあげようということになった。優秀賞の『ヒュレーの海』は色々な概念や用語をふんだんに盛り込んでおり、情報量が圧倒的。また『世界の終わり……』は読み手を引きつけ、生き生きとした登場人物たちをリアルに感じさせて、個人的には最も高く評価した(大意)」と述べられました。
優秀賞の3作はハヤカワ文庫で、特別賞受賞作は電子書籍として出版されることになっています。
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