今日はなぜか、一日、頭の中で南沙織さんのヒット曲「哀しい妖精」(曲/詞:ジャニス・イアン、訳詞:松本隆)が鳴り響いていました。素晴らしい楽曲。
〈日経サイエンス〉12月号は、巻頭で本庶佑さんのノーベル生理学・医学賞の解説。
一応、研究内容を頭に入れたつもりですが、いつまで覚えていられるやら。T細胞の衰弱死を引き起こすPD1がなぜ哺乳類の細胞に存在するかという謎にも興味をそそられました。
同誌のメイン特集は「新・人類学」。ヒトがヒトとなった由来について、さまざまな概説記事が集められていて、勉強になりました。
中でも気になったのは、ホモ・サピエンスの進化的経歴。
これまでの「常識」では12万~20万年前、アフリカにいたミトコンドリア・イヴがホモ・サピエンス全体の「母親」だということでしたが、最近の研究ではそれよりも前から、アフリカ各地にホモ・サピエンスは棲息し、各集団が時折り、交流していたのではないかということになっているらしい。
ホモ・サピエンス成立後の、他人類との交雑も確実視されています。ネアンデルタール人との交わりは、最近、よく聞きますが、他に、デニソワ人とも交わっていたということです。
2008年に、ロシア・モンゴル・中国の国境付近にあるアルタイ山中の洞窟から発見された人骨が、現生人類(ホモ・サピエンス)とも、ネアンデルタール人とも違う「第3の人類」であるという研究成果が〈ネイチャー〉誌に発表されたのは2010年12月のこと。
この新参の人類は、その後、どんどん存在感を強め、今では日本人にもその遺伝子の痕跡があるといわれています。
また、この夏にはネアンデルタール人の母親とデニソワ人の父親の間に生まれた少女の骨の存在も明らかになり、太古の人類のダイナミックな交流の様子が思い描かれるようになりました。
さらに他の人類がいたことも、DNA分析からはうかがえるようで、ヒトの由来の研究も面白いことになっています。
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