惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

主語不要

2007-02-23 21:04:50 | 本と雑誌

 確かに変だとは思っていたんですよ。日本人が日本人向けに書いているのに、言語学関係の本では例文をすぐに英語で書きたがる。
 理由はたぶん、あちらの学説を引用するのに日本語では具合が悪いからなのだろうな、と勘ぐってもいました。

 金谷武洋『主語を抹殺した男 評伝三上章』(講談社)を手にとって「ああ、やっぱりそうだったんだ」と思いました。SVO(主語・動詞・目的語)のような形式は現代英語特有のものなので、日本語とは違う構造なのだと書いてある。
 三上先生のおっしゃるには、そもそも日本語には主語はいらない。目的語だってなくていいのだ。
 いわれてみると、そのとおりです。「Ⅰ love you」は「わたしはあなたを愛しています」というより、「好きです」だもんな。主語も目的語もない。隠れているのではなくて、これできちんとした文だというのが三上章の説らしい。

 うーん、これまで三上文法と無縁に生きてきたのが悔しい気がしてきます。これから『象は鼻が長い』をはじめとする三上章の本を読まなくては。三上文法を発展させようとしている金谷さんの本も。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
自分で常識と思っていたことが実は伝わっていない... (林 芳隆)
2007-02-25 10:43:10
自分で常識と思っていたことが実は伝わっていないって事は、ありますね。
この辺の日本語の理屈を、いつか野口君に説明できればと思っていましたが、かなわぬ事となりました。
返信する
 林さんは三上説をとっくにご存知だったのですね... (森下一仁)
2007-02-25 21:34:22
 林さんは三上説をとっくにご存知だったのですね。今度、くわしく教えてください。
 野口君には……いっても、はたして聞き入れてくれたかどうか。でも、もう一度こんなことで喧嘩をしてみたかった。
返信する

コメントを投稿