台風23号は温帯低気圧へと変わりながらも勢力が強く、北海道は大変な荒れようだったみたいですね。
しかしながら、関東は一時的な冬型の気圧配置となって、よく晴れました。夕方には西の空に富士山がくっきりと。
今日の落語は、昨日につづいて六代目・三遊亭円生師匠。演目は十八番の「鰍沢」。
三遊亭円朝作の怖ろしい噺で、中学生か高校生の頃、ほかならぬ円生師匠のラジオ高座を聴いた覚えがあります。半世紀ほども前のことなので、細部はすっかり忘れていました。ただただ、暗くて怖い噺だったような記憶のみが。
今回、聴いてみると、山中の一軒家で旅人が殺されかかるという陰惨さはあるものの、怪談というほどのこともなかった。
一軒家に住む美女の描写や、旅人とのやりとりの裏にあるさりげない企みなど、語りの巧みさを際立たせる要素が盛り沢山の、やりがいのある一席だと知りました。円生師匠は臨場感あふれる見事な語り口。芝居噺を得意としただけのことはあります。
でもねえ、こんなに重厚な噺を「お材木のおかげで助かりました」と他愛ないサゲでまとめるとは。落語のカッコイイ腰砕けぶりに参ります。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます