惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

《ボクラノSF》

2009-02-06 21:29:03 | 本と雑誌

 毎日新聞朝刊に福音館書店の新SF叢書の広告が載っていました。
 大森望さんの監修になる《ボクラノSF》。

 おもに中学生向けで、古典的SFが並ぶらしく、今月中旬の第1回配本は次の3冊――

  • 『海竜めざめる』 ジョン・ウインダム 作/星新一 訳/長新太 画 定価1890円
  • 『闘技場 フレドリック・ブラウンコレクション』 フレドリック・ブラウン 作/星新一 訳/島田虎之介 画 定価1890円
  • 『秒読み 筒井康隆コレクション』 筒井康隆 作/加藤伸吉 画 定価1785円

 福音館書店のメルマガ「あのねメール通信 1月7日号」に、監修した大森さんのエッセイが載っています。「《ボクラノSF》は、“はじめてSFを読んだころ”の輝きを甦らせるシリーズです」とのこと。続くラインアップはどうなるのか、気になるところ。

 第1回配本で「おっ!」と思ったのは『闘技場』のイラストが異色マンガ家の島田虎之介さんであること。
 シブいですねぇ。担当編集者のほくそえむ顔が見えるようだ。
 島田作品、私はまだ『トロイメライ』しか読んでいませんが、なかなか良かった。ブラウンとのコラボレーションが楽しみ。

 〈遊歩人〉2月号が出ました。担当の新刊紹介欄で次の4冊を取り上げています――

  • 飯沢耕太郎『きのこ文学大全』(平凡社新書)
  • リチャード・フォーティ『地球46億年全史』(渡辺政隆・野中香方子訳、草思社)
  • 瀬名秀明『瀬名秀明 ロボット学論集』(勁草書房)
  • 長谷川泰三『日本で最初の喫茶店「ブラジル移民の父」がはじめた――カフエーパウリスタ物語』(文園社)

 最後の『カフエーパウリスタ物語』に載っている「銀ブラ」という言葉の起源にびっくりしました。
 よく言われるのは「銀座ブラブラ歩き」を略したという説で、私もそうだとばかり思っていたのですが、ここには「銀座に行って、カフエーパウリスタのブラジルコーヒーを飲むこと」なのだと書いてあります。大正の始め頃、慶応大学の学生たちが使い始めたというのです。

 三田から銀座まで歩いて、パウリスタでコーヒーを飲むのが彼らのお定まりのコースだったらしい。
 当時、慶応の学生で、連日、パウリスタまで行ってコーヒーとドーナツで何時間もねばっていた佐藤春夫は「毎日、こんなことばかりしていて末はとどうなつことやら」などと洒落て自嘲したとか。


古道五差路

2009-02-05 21:03:02 | ポッカール
 夕方、やや遅くなってから多摩よこやまの道まで出かけてポックウォック(ポッカール&ウオーキング)。
 午後5時ぐらいから45分ほどかけて、黒川給水場から古道五差路までの約2キロを往復しました。

 このあたりは尾根沿いに古代の道路が何本もあったらしく、その跡が残っているそうです。中のひとつが古代東海道(昔の東海道はこんなところを通っていたんですね)。「防人見返りの峠」などという場所もあります。

 で、行き着いたのが古道五差路。よく見ると6本の道路が集まっています。最近になって、新しい道が1つ、加わったのでしょうか。

 町外れだし、夕暮れ時で人影もないのに、なぜか賑わいのようなものを感じます。不思議。道がたくさん集まると、それだけで特別な雰囲気がかもし出されるのでしょうかねえ。
 今日はもう暗くなっていて、写真が撮れませんでした。今度、出かけた時に挑戦してみよう。


英雄

2009-02-04 21:17:21 | テレビ番組
 昨夜のNHKテレビ「プロフェッショナル――森に生きる、山に教わる~森林再生人・湯浅勲~」に感動。実に素晴らしい人が――本物の英雄が、ここにいるんだと思わずにはいられませんでした。

 湯浅さんは京都府日吉町の森林組合の職員。22年前、35歳の時に都会での仕事を捨てて、郷里の山で働き始めたそうです。
 しかし、当時、山は荒れ、手入れをしようにも経費がかさんでやろうという人がいない。職場の士気も低迷していた。

 そんな状況のもと、彼は頭を働かせ、人のやる気を引き出し、失敗を重ねながら、森林再生の方途を編み出してきた。そして今では森林再生の神様ということで、全国から教えを乞う人が絶えないという。

 自然を見極め、あるものを活かし、人も山も大事にする――そんな湯浅さんの姿勢がビンビンと伝わって来て、「凄い!」と何度も叫んでしまいました。
 決してカリスマではないんです。「痛い目に遭って、学んできました」と言い、他人に自分の考えを押し付けるのではなく、その人の心が動くのをじっと待つ。
 こんな人が日本の政治に1人でもいればなあ……と思わずにはいられませんでした。

 実は、私の田舎にも植林された山があります。ほったらかしです。何とかしなくてはと思いつつ、そのすべすらわからない状態です。湯浅さんのやり方を見て、いつか、何とかできるかもしれないと思うようになりました。

 個人的に嬉しかったのは、湯浅さんの使っているウェストポーチが私のものとそっくりだったこと。ウフフ……プロの使うウェストポーチだぜ、とニンマリしました。

 〈ナンクロメイト〉3月号が発売になりました。担当している新刊紹介欄で次の3冊を取り上げています――

  • とり・みき『ロボ道楽の逆襲』(イースト・プレス)
  • 飯野文彦『「超」怖い物語 黒い本2』(竹書房文庫)
  • 浅暮三文『ぽんこつ物語』(光文社)
 知り合いの本ばかり並んでしまいましたが、どれも本当に面白い。特に『ロボ道楽の逆襲』は、とりさんのギャグマンガの代表作となるんじゃないでしょうか。

節分

2009-02-03 20:26:48 | 季節

 というよりは「海苔巻き丸かぶりの日」ですね、私にとっては。
 海苔屋の陰謀でも何でもいいんです。美味しいものが食べられれば。

 散歩の途中で立ち寄ったスーパー。レジで私の前に並んだお兄さんのカゴには太巻きが2本、入っていました。1人で2本食べるのかなあ。それとも、彼女と1本ずつ食べるのかなあ。ちょっと気になった。

 我が家は、海鮮サラダ風の自家製海苔巻き。作法にのっとり、家族全員、東北東を向いて無言でむさぼりました。夕食があっという間に終ってしまう。

 話はもどって、散歩の途中でもう一軒、寄り道をしました。本屋さん。
 界隈でやたらに話題になっている『SF・ファンタジー映画の世紀』(原田実・総監修、別冊宝島)があったので購入。ウィリアム・ディターレ監督『ジェニーの肖像』(1948年)と、ロバート・ワイズ監督『地球の静止する日』(1951年)のDVDが付いています。
 たぶんどちらも未見。『ジェニーの肖像』は、もしかしたら見たかもしれませんが、小説の記憶しか残っておりません。なので、観るのが楽しみ。


『エスキス』

2009-02-02 20:40:01 | 音楽
 夕方、久しぶりに生田緑地まで出かけてポッカール。
 今年、初めてですね、生田緑地は。月曜日とあって閑散としておりました。坂道の散策路では誰とも出会わず。

 良い感じの梅園があるのですが、そこも無人。紅白の梅がひっそりと咲き初めていました。梅の心地よい香りが夕暮れの山肌に漂い、いい気持ちです。

 久しぶりの坂道をポッカールで走ってみると、下手になっていたりするのではないかと心配していたのですが、そんなことはありませんでした。上達の度合いは、そんなに簡単に後戻りしないらしい。ホッとしました。

Esquisses  写真は19世紀フランスの作曲家アルカンの楽譜集『エスキス(スケッチ集)』(プリズム)。ピアノ弾きの愚息が校正・解説を担当しております。

 アルカンの楽譜が日本で出版されるのはこれが初めてですが、短く楽しい曲のコレクションですので、練習曲として、またコンサートピースとしても重宝するかと思います。
 ピアノをお弾きの皆様、せひとも楽譜屋さんで手に取ってご覧になってみてください。アマゾンでもお求めいただけます。