先日届いた文藝春秋4月号に「投資家必読!トランプ大統領の次の獲物は日本の消費税」という記事が出ていた。
トランプ大統領の「米国第一主義」は、米国製品に高い関税をかけている国や地域に米国も同じ水準の関税を課す」というもので、「関税」の中には米国企業にとって不利になる「非関税障壁」も攻撃の対象となる。
日本の消費税など付加価値税を導入している国は「非関税障壁」を課しているとみなすという主張だ。
なぜ消費税が非関税障壁なのか?ということは、あまり考えていなかったが、文藝春秋の記事の中の元米通商代表部のライトハイザー氏の意見を見ると主張の根拠が分かってくる。
主張の根拠は「すべての輸入品には付加価値税(消費税)が課せられるが、付加価値税(消費税)を実施している国の輸出品からは税務調整措置により付加価値税(消費税)が還付されるので、アメリカは輸出競争力を削がれているというものだ。
この主張を理解するには、幾つかの説明を読む必要がある。
大きな疑問はアメリカにも消費税はあるはずなのにどうしてアメリカでは税務調整措置が行われないのか?という点だ。
たしかに日本で消費税が導入される前からアメリカでは売上代金に税金がかかることがあった(州によって異なった)。
だがこれは小売売上税と呼ばれる州税で消費税のような付加価値税とは異なる。
日欧の付加価値税(消費税)とアメリカの小売売上税の輸出品に関する税の取り扱いの違いについては、AIに確認してみた。
【日本の消費税における輸出還付金】
- 還付制度: 日本では、輸出に対して消費税が課税されないため、輸出業者は支払った消費税を還付申請することができます。
- 還付対象: 輸出品に関連する仕入れにかかる消費税が還付対象となります。これにより、輸出業者は国内市場での競争力を維持できます。
- 手続き: 輸出業者は、税務署に還付申請を行い、必要な書類を提出することで還付を受けられます。
【アメリカの小売売上税における輸出還付金】
- 還付制度: アメリカでは、州によって異なるものの、一般的に輸出品に対して小売売上税は課税されません。そのため、輸出業者は通常、売上税を支払う必要がありません。
- 還付対象: 一部の州では、輸出品にかかる売上税の還付を受けるための特別な手続きが必要な場合がありますが、基本的には輸出に際して売上税が課税されないため、還付の必要がないことが多いです。
- 手続き: 各州の規定に従い、必要な書類を提出することで、場合によっては還付を受けることができます。
輸出品には消費税がかからないため、輸出業者は国際市場で価格優位性を保つことができる。歴史的に見ると付加価値税は1954年にフランスで導入されたそうだ。フランス政府は自国の輸出企業に補助金を与える合法的手段としてこの方法を編み出したと米国の公文書は記している。
消費税を巡る米国の主張は、冷静に考える必要がある。トランプ政権のやり口には納得のいかないところもあるが、第二次大戦後に疲弊していた欧州諸国が輸出企業支援のために編み出したといわれる付加価値税が現在でも適正な制度かどうかという米国の主張も吟味する必要があるだろう。
トランプ政権になって勉強することが増えたなぁ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます