4月月末の昨日の米国株は下落した。ダウは288ポイント1.2%下落。
最大の要因は失業保険申請者数が、事前予想の350万件を上回る383万件に上ったことだ。米国株は3月下旬に底を付けた後上昇に転じ、4月の株価上昇率は1987年1月以降最高となった。また史上3番目の上昇率だった。
月末の一日は蛇尾だったが、1カ月を通しては良好なパフォーマンスだったといえる。中身を見るとアマゾンやアップルなどのハイテク・ネット小売り業が平均株価を押し上げた。
株式市場は3カ月から6カ月先を見るというから、投資家の間にコロナウイルス危機からのリカバリー期待が高まっていることは間違いない。
一方消費者はもっと足元を見ている。米国商務省経済分析局の発表によると3月の家計貯蓄率は13.1%と2月の8%から急増した。消費支出は7.5%減少しているので、消費が減った分貯蓄に回し、将来の不安材料に備えたというところだ。
4月の株価は好調だったとはいえ、年初来で見るとダウはマイナス11%、S&P500はマイナス13%だ。しばらくは逆資産効果も消費者の財布のひもを固くする。
株価全体が回復するには、雇用とその基になるサービス業・製造業など幅広い業種で事業再開が本格化することが必要だ。これらの業種の業績見通しが明るくなってくると、セクターローテーションでハイテク売りの出遅れ銘柄買いという局面が出現するがそれはもう少し先の話だろう。
だが相場には「もうはまだなり まだはもうなり」という格言もある。どう解釈するかは人それぞれだろうが。