金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

意外に使えるグーグル翻訳

2017年07月13日 | 英語

最近顧問先で外国企業と仕事をしようという話が持ち上がり、人手不足から簡単な翻訳を依頼されることが増えた。

そこで久しぶりにグーグルの翻訳機能を試してみることにした。

まずグーグルによる英文和訳の実例を示してみよう。

(英文)

We proudly celebrated the opening of our 100th golf course just last year and our courses literally span the globe, covering six continents and 34 countries.

(グーグル訳)

ちょうど昨年、私たちの100番目のゴルフコースの開会を誇らしげに称賛し、コースは文字通り世界中に広がり、6大陸と34カ国をカバーしています。
後半のour courses以下は手直しの必要がない位よくできていると思うが、前半はかろうじて意味が通じるものの日本語としてぎこちない。
私はこの文章を「我々は昨年100番目のゴルフ場を開くことができたことを誇らしく思います。我々のコースは文字通り、世界に広がり、6大大陸34か国をカバーしています。」と訳した。
Proudly celebratedは「誇りをもって祝った」という意味だが、日本の感覚では自画自賛するのは、謙虚さに欠けると思われるので、少しマイルドな表現にした。
以上のようなことから、次のように考えられる。
  • 例文後半のように、事実の記述に関する部分ではグーグル翻訳はかなり使えるレベルに達している。
  • 日本人の感覚と英米人の感覚に微妙な差があるような、文章は少し手を入れる必要がある。

なお日本人の書いたスピーチ原稿のグーグル英訳も試みたが、こちらは余り機能しなかった。それはグーグル翻訳の問題ではなく、むしろ日本語の方に問題があると考えられる。

具体的にいうと

  • 主語、目的語が明示されていない。
  • 文章が長すぎる。
  • 文章の論旨が一貫していない。

ということが翻訳対象としたスピーチ原稿で散見されたことだ。

英訳されることを前提とした日本語は以上の点に気をつけて作成するべきだろう。つまりある程度翻訳される英文を頭に置きながら、日本語で文章を書くのである。恐らくそうすることで、かなりグーグル翻訳の力を引き出すことができるのではないか?と私は考えている。

グーグルの翻訳力は見くびったものではない。「男子三日会わざれば刮目せよ」という言葉がある。三日でグーグル翻訳が飛躍的に改善するとは思わないが、半年位でかなり良くなる可能性はあると思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【イディオム】Whiteout とBlackout

2016年05月04日 | 英語

この連休中に北アルプスを中心に山岳遭難事故が多発した。事故の原因の一つにホワイトアウトWhiteoutが挙げられていた。

Whiteoutとは「雪や濃霧のため視界が白一色になり、方向・高度・地形の識別ができなくなる状態」を指す。私もこのGW中に月山に行った時、リフトを降りて滑ろうと思った時、このホワイトアウトにつかまった。ホワイトアウトにつかまると平衡感覚がなくなり、斜面に立つことが困難になる。一瞬白い無間地獄を落ちているような嫌な感じを味わった。

では何故このような状態をWhiteoutというのだろうか?ということを推測してみた。Outは非常に沢山の意味を持つ言葉だが、その中に副詞として「気を失って」という意味があるので、私は「白一色に気を失った状態をwhiteoutとしたのが始まりではないか?と推定している。

白の反対の黒を使ってBlackoutという言葉がある。Blackoutには「停電・灯火管制」という意味と「気を失う」という意味がある。後者の意味では戦闘機のパイロットが加速の影響で脳に血流が行かなくなり気を失う場合をブラックアウトと呼ぶそうだ。またブラックアウトの手前の状態をgrayoutと呼ぶそうだ。

酒を飲み過ぎて記憶喪失に陥った場合もblackoutという。酒を飲んで急速に血中のアルコール濃度が高まると、記憶を掌る海馬のレセプター(受容体)にグルタミン酸が回らなくなり、記憶伝達が阻害される。

Blackoutは飲み過ぎによる完全な記憶喪失状態を指し、その手前の一部記憶が残っているような飲み過ぎをwhiteoutということもあるそうだ。

この前月山でwhiteoutにまきこまれた後、しばらく軽いめまいが残り、宿に帰ってからあまりビールが進まなかった。脳は濃霧によるWhiteoutを酒の飲み過ぎによるwhiteoutと勘違いして、ビールにストップをかけたのかもしれない。雪山でのwhiteoutにもお酒の上でのwhiteoutましてやblackoutにはご用心!である。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【イディオム】Ho-hum 日本株は退屈じゃない?

2014年12月19日 | 英語

CNBCにNikkei to go from 'ho-hum' to 'home run' in 2015という記事がでていた。Ho-humは「退屈した時のあーあ」という意味だから「日経は2015年には退屈からホームランに大化けする」という意味だ。

記事が書かれた昨日時点で日経平均の年初からの上昇率は5.4%の上昇にとどまっている。昨年57%も上昇したことに較べると「退屈」だったといえるのだろう。しかし10月の終わりからの日本株の動きはまことに慌ただしい。日銀の追加金融緩和策の発表以降12月9日までで日経平均は15%上昇し、その後約1,000ポイント下落した。今日は非常に強い相場付で恐らく17,500ポイント近辺まで行くだろうから、半値戻しにはなりそうだ。

日経平均が急落した背景を多くの専門家は、原油価格の急落で世界の株価が急落したことが原因、と説明しているが、私はヘッジファンドの決算が近いので、利益確定の売りや稼ぎの悪かったファンドマネージャーが最後の一足掻きをしたことなども原因だろうと推測している。

記事は概ね来年末の日経平均は20,000ポイントになるといった楽観論を紹介していたが、一部に悲観論もあることを併記していた。悲観論の中心は「選挙で勝ったからといって、非常に厳しい財政状況と成長戦略のバランスの難しさに変わりはない」というものだ。法人税率の減税などが実現すると、円安で輸出競争力がついた日本に外国企業が戻ってくる可能性はあるだろう。だがその流れを本格化するには、労働市場の自由化と移民拡大政策が取れるかどうかに関わると私は考えている。

それともう一つは米国経済を中心とした世界経済の動向だ。

ところで日本株が「退屈」か?と問われれば、私は退屈じゃなかったと答えたい。外国人投資家が鼻ずらを引き回す日本株のボラティリティは米国株より高いことが多いのではないだろうか?それと理屈を越えて買われたり、売られたりするところを見ると退屈どころかスリリングな市場だと思う。スリルの結果は余り良いものでないことが多いが。まあ余り過大な期待を抱かずに新年を迎えよう。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【イディオム】keep in check 国債の発行高を抑えられるか?

2014年12月18日 | 英語

ロイターに次の記事が流れていた。Japan to spend up to 30billion in stimulus, keep bond issuance in check.

「日本は景気重家施策として300億ドルの財政支出を予定。(ただし)国債発行は行わない。」という意味だ。

Keep(hold) in checkは「阻止する、食い止める」という意味だ。政府は地方の景気下支えのため、「子ども3人以上の家庭支援」「住宅金利の引き下げ」「地域商品券の発行」などのために、3兆円規模の補正予算を組む予定だ。ただしアベノミクスの成果として、企業収益が好調でな結果、税収が当初予定を上回る51.7兆円になる見込みなので、補正予算のための国債発行は行わない方針だ。

3兆円規模の地域経済活性化予算の話は11月下旬には出ていた話なので、いわば与党連合の「公約実現」である。

私もこのことは是とするが、問題はこれらの対策は一時的なパッチワークに過ぎないということだ。経済成長を定着させるためには、大胆な産業構造の組み換え(米国が製造業からIT産業主導型に組み替えたように)が必要だ。

カンフル剤を打っているだけではやがて息切れがくる。身体を筋肉質に変え、環境変化を乗り切る工夫と努力が必要だ。国債増発に歯止めがかかったことは評価して良いが、それがプライマリーバランスの回復のためには、医療費を中心とした社会保障費の削減まで踏み込まねばならない。4年の枠組みの中で安倍内閣の本気度が試されるのはもう少し先のようだ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【イディオム】ドルにdrift off

2014年12月09日 | 英語

円とユーロに対して高値を更新していた米ドルだが、昨日のニューヨーク市場では一時的に値を下げて、ドル円為替は一時120円20銭近くまで円高が進んだ。

だが市場参加者の大方はこれを利食いによる一時的なドル安と見ているようだ。ロイターに次のような一文が出ていた。

We're drifting off in the dollar and this is just consolidation.

Drift offとは「居眠りをする」というイディオムで、全体としては「我々はドルに居座っていて、これは単なる利食いだ」という意味だ。

Consolidationは「統合・合併」という意味だが、consolidate gainsというと「利益を固める(利食いをする)」という意味なので、ここでは利食いと解釈した。

金曜日の予想外に強かった米国の雇用統計を受けてドルは急伸。そこで月曜日には利食いの売りがでたということだろう。市場の関心はFOMCミーティングに移っている。

Driftには「あてもなくさまよう」という意味があるが、ここはドルに座り続ける方がリスクは少ないだろう。

★   ★   ★

最近出版した電子本

「英語の慣用表現集」 http://www.amazon.co.jp/ebook/dp/B00LMU9SQE/

「人生の山坂の登り方・降り方」 http://www.amazon.co.jp/ebook/dp/B00LYDWVPO/



 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする