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ダニエル・カーネマンの自死から1年

2025年03月16日 | うんちく・小ネタ
不確実性の下での意思決定理論(プロスペクト理論)で有名なダニエル・カーネマンが90歳で亡くなったのは去年の3月27日だった。彼の死因はほとんど知られていなかったが、WSJにZason Zweigという人が彼の死は自殺だった~正確には彼の死はスイスの自殺幇助施設an assisted-suicide facility で発生した~という寄稿文を寄せていた。記事のタイトルは"The Last Decision by the World’s Leading Thinker on Decisions" 「意思決定に関する世界有数の思想家による最後の意思決定」だ。
 寄稿者はカーネマンの著作を手伝った人物で彼をよく知っている人物であり、カーネマンが死を迎える少し前に親しい人々に送った手紙が引用されていた。

それによると「カーネマンは人生最後の数年の悲惨さや屈辱は不必要」と考えていた。また彼は自分の腎臓は末期状態であり、精神障害の頻度は増加しているとも書いている。
 Zweigはカーネマンは長期的な衰退を避け、思い通りに行動し、自分の死を受け容れたのだろうと解釈していると思われる。
 記事は「自殺幇助はほとんどの国で違法であるが、増加傾向にある。スイスでは患者が18歳以上で正気であり、幇助者の動機が利己的でない場合は自殺幇助は合法的である」と述べている。
 カーネマンの一周忌に自殺幇助の話題が広がるかもしれないと感じた次第。
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