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米大統領選、誰が勝っても米国の内向き志向は強まるだろう

2016年05月08日 | 国際・政治

先週土曜日共和党指名候補争いでドナルド・トランプ氏の指名獲得が確実になった。これで民主党のヒラリー氏と共和党のトランプ氏の一騎打ちとなるが、不人気が68%と高いトランプ氏の方が不人気度52%のヒラリー氏より不利だという見立てがあるようだ。

今回の大統領選挙は人気投票より不人気投票になるのだろうか?

現時点で私はどちらが勝つかという見通しは持っていないし、今後発生する可能性がある多くのイベントに選挙結果は左右されると思う。まず共和党保守派がトランプ氏支持にまわるかどうかという点が不明だ。

不人気度が高いトランプ氏だが、仮に大統領選挙の前に大きなテロが起きた場合、テロに対する強硬姿勢を打ち出しているトランプ氏の人気が高まる可能性は大きい。従って今の時点で誰が勝つか?という予想を述べてもそれほど意味はないだろう。

ただはっきりしていることはヒラリー氏が勝ってもトランプ氏が勝っても米国の内向き志向は強まるだろうと私は考えている。

ピューリサーチセンターが5月5日つまり共和党候補がトランプ氏に絞られる直前に出した世論調査レポートがある。

タイトルはPublic uncertain, divided over America's place in the world「世界におけるアメリカの立ち位置について世論は分裂」というものだ。

アメリカの立ち位置というのは、防衛・安全保障に関わるものと経済活動に関わるものがある。

ピューの世論調査によると、57%のアメリカ人は米国は自国の問題に取り組むべきで、よその国の問題はよその国に任せておけばよいと考えている。一方他国の問題の解決にも手助けするべきだと考えている人は37%だった。

また41%の人はアメリカは世界の問題解決に関与しすぎていると考えている。一方関与が足りないと考えている人は27%にとどまり、適正範囲の関与であると考えた人は28%だった。

党派別にみると、共和党支持者の62%は米国はよその国に関わらずに自国の問題解決に当たるべきだと考え、民主党支持者でも47%の人は同様の考え方を持っていた。

米国が世界経済との関係を深めることについて49%の人は低賃金を招き、雇用が奪われる可能性が高まるとして否定的な見方を示している。

一方世界経済との関係を深めることは、米国が新しい市場を開拓し、成長機会を見いだすのでプラスになると考えた人は44%にとどまった。

トランプ氏支持者の65%は米国が世界経済を関係を深めることをネガティブに見ていて、ポジティブに見る人は31%に留まる。

ヒラリー氏支持者の55%は世界経済と関係を深めることをポジティブに見ていて、ネガティブに見る人は37%だ。またサンダース氏支持者の間では意見は拮抗している。この問題は大統領選挙の大きな争点にはならないのではないだろうか?

私は誰が大統領になっても、米国の内向き志向は強まるのではないか?と考えている。その前提に立って日本の外交・経済政策を考えるべきではないだろうか?

 

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