昨日(5月16日)ダウがザラ場で一時4万ドルをつけた。すぐに4万ドルの足場を固めるかどうかは分からないが、心理的な節目を超えたことは間違いない。
このところ米国株が好調な理由は、インフレにやや沈静化の兆しが見え、連銀が政策金利の引き下げに踏み切る可能性が高まったという観測が広がっていることだ。
もう一つはChatGTPなどAIの活用がビジネス面で本格化していることだろう。
投資家はAIが生産性向上に寄与することに期待を高めている。
ダウの構成銘柄はオールドエコノミーが多く、ハイテク銘柄はそれほど多くはない。WSJはダウが2020年11月に3万ドルを達成した後、今回の4万ドル達成に貢献した銘柄をリストアップしていた。
そのトップはゴールドマンザックスで、2番目がマイクロソフトだった。
アップルやアマゾンの貢献度はそれほど高くはない。
ダウとナスダックのパフォーマンスを較べてみよう。
今年の成績は、ダウが5.7%で、ナスダックが13.1%。過去5年ではダウが54.8%でナスダックが113.6%だった。
インデックスとして有名なダウの大台乗せは、一般的にはニュース性はあるが、投資の観点からはそれほど価値のある話ではないと私は思う。
むしろ「オールドエコノミーの株を買っていても、牽引車がいればバスケットは上昇する」という程度の話である。もし人工知能がこれからしばらくの間生産性向上の立役者になると信じるのであれば、立役者が多いナスダックに投資するのが本筋だと私は考えている。